乾式粉体コーティングによるマイクロカプセル化

1.はじめに 周知のように,流動層や噴流層を用いた湿式スプレーコーティング技術は多くの微粒子性放出制御製剤を生み出してきている.既に完成された技術と思われることも多いが,それはあくまで200μmを超える大きさの製品においてであり,100μm以下の粒子径の製品は未だ世に出ていない.本稿では,そのような微粒子コーティング技術の研究開発の経緯と,その課題を克服すべく検討されている乾式粉体コーティング技術について紹介する. 2.コーティング法の適用粒子径範囲 Fig.1は代表的なコーティング・表面処理技術の適用範囲の粒子径別分類を示す.医薬品では,粒子径の大きい方から錠剤(5~11mm),顆粒剤(35...

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Veröffentlicht in:薬剤学 2007, Vol.67(5), pp.288-296
Hauptverfasser: 市川, 秀喜, 福森, 義信
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1.はじめに 周知のように,流動層や噴流層を用いた湿式スプレーコーティング技術は多くの微粒子性放出制御製剤を生み出してきている.既に完成された技術と思われることも多いが,それはあくまで200μmを超える大きさの製品においてであり,100μm以下の粒子径の製品は未だ世に出ていない.本稿では,そのような微粒子コーティング技術の研究開発の経緯と,その課題を克服すべく検討されている乾式粉体コーティング技術について紹介する. 2.コーティング法の適用粒子径範囲 Fig.1は代表的なコーティング・表面処理技術の適用範囲の粒子径別分類を示す.医薬品では,粒子径の大きい方から錠剤(5~11mm),顆粒剤(355~1,400μm),細粒(75~500μm),散剤(500μm以下)が流動層コーティングの対象になる.錠剤は単分散粒子であるが,他の微粒子製剤も可能な限り粒子径を揃え,その粒子径に最適な方法でコーティングが行われる.それぞれの方法には,単核被覆が可能な下限粒子径および流動化による磨損・破損が起こる上限粒子径が存在する.
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.67.288