マルコフモデルによる成人ネフローゼ症候群の長期予後予測

1.はじめに 慢性疾患の長期予後を推定するには, 多数のパラメータと予後との関係についての充分な調査が必要である. しかし, そのために必要な長期追跡を, 完全な形で達成することは甚だ難しく, データの欠落, 対象の脱落, さらには調査担当側の人的構成の異動など, さまざまな障害が伴うことが多い. そこで試験的な調査によって大局的な予測を立てるために比較的短い観測期間で長期予測が可能で信頼性のある統計学的手法の開発が望まれる. そのような方法の一つと考えられるものに, 確率論的手法として多くの社会現象に応用されているマルコフモデルがある. マルコフモデルほすでにいくつかの慢性疾患の経過にもあて...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:行動計量学 1982/12/20, Vol.10(1), pp.36-45
Hauptverfasser: 秋場, 優子, 田中, 博, 谷島, 一嘉, 古川, 俊之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1.はじめに 慢性疾患の長期予後を推定するには, 多数のパラメータと予後との関係についての充分な調査が必要である. しかし, そのために必要な長期追跡を, 完全な形で達成することは甚だ難しく, データの欠落, 対象の脱落, さらには調査担当側の人的構成の異動など, さまざまな障害が伴うことが多い. そこで試験的な調査によって大局的な予測を立てるために比較的短い観測期間で長期予測が可能で信頼性のある統計学的手法の開発が望まれる. そのような方法の一つと考えられるものに, 確率論的手法として多くの社会現象に応用されているマルコフモデルがある. マルコフモデルほすでにいくつかの慢性疾患の経過にもあてはまることが証明されており, ネフローゼ症侯群の予後推定にも適用可能と考えられる. そこで, 成人ネフロ-ゼ症侯群治療研究会における長期多数例の経過追跡患者資料についてマルコフモデルによる分析を行い, ネフローゼ症侯群の予後に関する定量的アプローチを試みた.
ISSN:0385-5481
1880-4705
DOI:10.2333/jbhmk.10.36