脊髄損傷患者の排泄動作援助技術

はじめに 排泄動作の自立は, 健康の自己管理や社会生活範囲の拡大に重要であるばかりでなく, その個人の尊厳を保つ上でも非常に大切である. 脊髄損傷患者は膀胱直腸障害のために排尿・排便のコントロールが困難になる. なかでも頸髄損傷患者では, 下肢・体幹機能障害に加え上肢・手指機能障害を呈し, 排泄動作に関わる座位保持, 移乗, リーチ, 把持, さらには起き上がり, 寝返りに障害を生じ, 排泄動作の自立には非常な困難をともなう1)2). ここでは, 作業療法士(以下OT)が関わる脊髄損傷患者の主に回復期における排尿と排便の自立へ向けた支援について述べる. 村山医療センターでの脊損患者の排尿管理の...

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Veröffentlicht in:医療 2007/09/20, Vol.61(9), pp.625-629
Hauptverfasser: 高橋, 晴奈, 小嶋, 良助, 濱田, 暁子, 出口, 弦舞, 大薗, 洋, 鈴木, 真梨子, 田中, 尚文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに 排泄動作の自立は, 健康の自己管理や社会生活範囲の拡大に重要であるばかりでなく, その個人の尊厳を保つ上でも非常に大切である. 脊髄損傷患者は膀胱直腸障害のために排尿・排便のコントロールが困難になる. なかでも頸髄損傷患者では, 下肢・体幹機能障害に加え上肢・手指機能障害を呈し, 排泄動作に関わる座位保持, 移乗, リーチ, 把持, さらには起き上がり, 寝返りに障害を生じ, 排泄動作の自立には非常な困難をともなう1)2). ここでは, 作業療法士(以下OT)が関わる脊髄損傷患者の主に回復期における排尿と排便の自立へ向けた支援について述べる. 村山医療センターでの脊損患者の排尿管理の流れ(1)急性期には尿閉となることが多く3), 転院時には尿道カテーテルが留置されている場合が多い. (2)急性期を過ぎて自排尿が可能となっても, 失禁や排尿困難などの問題を抱えることが多い. この場合, 排尿管理にはいくつかの方法があるが4), 膀胱機能をよい状態に保つために当院では可能な限り清潔間欠自己導尿(以下, 自己導尿)を勧めている.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.61.625