(10)小児急性虫垂炎の画像診断

急性虫垂炎は, 小児急性腹症で最も頻度が高く, 小児診療においては腹痛の鑑別診断として常に念頭に置かなくてはいけない. 虫垂炎の画像診断における超音波検査(以下US)の有用性は周知のことと言えるが, 小児ではさらに有用性が高まる. その理由は, 1)X線被曝がないこと. 2)学童以下の小児では皮下脂肪が少ないため虫垂の観察が容易であるであることがあげられる. 高周波プローベを使えばCT以上に詳細な虫垂形態が把握できることが多い. また, 虫垂の圧痛を直接的に確認できたり, ドプラー血流モードを使い虫垂周囲の血流増加の有無も把握できる. 国立成育医療センターの虫垂炎超音波検査について 当国立成育...

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Veröffentlicht in:医療 2005/10/20, Vol.59(10), pp.572-575
Hauptverfasser: 北村, 正幸, 大楠, 郁子, 岡田, 良行, 野坂, 俊介, 宮崎, 治, 鹿島, 恭子, 宮坂, 実木子, 堤, 義之, 岡本, 礼子, 正木, 英一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:急性虫垂炎は, 小児急性腹症で最も頻度が高く, 小児診療においては腹痛の鑑別診断として常に念頭に置かなくてはいけない. 虫垂炎の画像診断における超音波検査(以下US)の有用性は周知のことと言えるが, 小児ではさらに有用性が高まる. その理由は, 1)X線被曝がないこと. 2)学童以下の小児では皮下脂肪が少ないため虫垂の観察が容易であるであることがあげられる. 高周波プローベを使えばCT以上に詳細な虫垂形態が把握できることが多い. また, 虫垂の圧痛を直接的に確認できたり, ドプラー血流モードを使い虫垂周囲の血流増加の有無も把握できる. 国立成育医療センターの虫垂炎超音波検査について 当国立成育医療センターでは虫垂炎を含む腹部超音波診断は, ほぼ全例放射線診療部において施行している. 開院2002年3月から2005年4月までの37ヵ月間に虫垂炎疑いで施行された初回US検査の409例を調査した. その結果をTable1に示すが, 感度91%, 特異度99%, 精度96%であった. (ここでの偽陽性は, 腸管ガスや肥満の症例も含めた「初回USで虫垂炎と診断できなかったすべての例」を意味する)
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.59.572