巨大空洞を形成した肺アスペルギルス症の1例: アムホテリシンB局所療法とステロイド併用により著効した症例

49歳男性, 肺結核症に伴う大喀血にて右上葉切除の既往を有していた. 術後1年経過した後, 激しい咳漱が出現, 胸部レントゲンにて右上肺野術後死腔内にfungus ball様陰影, また同下肺野に巨大な空洞性病変を認め入院となった. 喀湊培養でAspergillus fumigatusを検出, また血清アスペルギルス沈降抗体陽性, さらにアスペルギルス特異的IgE抗体も高値を示したため, 肺アスペルギルス症と診断した. 本症例の原発巣は, 肺切除後の死腔内に形成されたfungus ballと考え, 経皮的にカテーテルを挿入し, アムホテリシンBの局所注入および同剤の吸入療法を行った. またアレ...

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Veröffentlicht in:医療 1997/02/20, Vol.51(2), pp.73-76
Hauptverfasser: 小川, 賢二, 安藤, 隆之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:49歳男性, 肺結核症に伴う大喀血にて右上葉切除の既往を有していた. 術後1年経過した後, 激しい咳漱が出現, 胸部レントゲンにて右上肺野術後死腔内にfungus ball様陰影, また同下肺野に巨大な空洞性病変を認め入院となった. 喀湊培養でAspergillus fumigatusを検出, また血清アスペルギルス沈降抗体陽性, さらにアスペルギルス特異的IgE抗体も高値を示したため, 肺アスペルギルス症と診断した. 本症例の原発巣は, 肺切除後の死腔内に形成されたfungus ballと考え, 経皮的にカテーテルを挿入し, アムホテリシンBの局所注入および同剤の吸入療法を行った. またアレルギー反応を緩和する目的でプレドニンの内服も併用した. その結果, 原発巣の縮少, 空洞の著明な改善, ならびに特異的IgE抗体の著明な低下を認めた. アムホテリシンBの局所療法の有効性および, 本症のアレルギー的側面について若干の考察を加え報告した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.51.73