看護の立場から: まず病名の認知から―特に癌患者の場合
薬物療法に関するインフォームド・コンセントが成り立つためにはその薬物を与えられる患者が自身の病名を認知し, その治癒を目的とする意志がなくてはならないであろう. 癌専門病院, 大学病院, 地方, 都心, 一般病院など5つの施設の遺族を対象に調査した結果, その癌の認知の状況は自然に知って行くのが最も多く31%, 医師による告知は20.3%, 自分で調べたのが14.9%で, 大学病院や地方の病院は医師や家族による告知が少ないぶんだけ自分で調べて癌を認知していく傾向がみられた. 良く知っていたのが, 25.5%, 全く知らなかうたのが25.9%, 最も多いのが家族からみて気付いていたといえるのが4...
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Veröffentlicht in: | 医療 1992/03/20, Vol.46(3), pp.196-198 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 薬物療法に関するインフォームド・コンセントが成り立つためにはその薬物を与えられる患者が自身の病名を認知し, その治癒を目的とする意志がなくてはならないであろう. 癌専門病院, 大学病院, 地方, 都心, 一般病院など5つの施設の遺族を対象に調査した結果, その癌の認知の状況は自然に知って行くのが最も多く31%, 医師による告知は20.3%, 自分で調べたのが14.9%で, 大学病院や地方の病院は医師や家族による告知が少ないぶんだけ自分で調べて癌を認知していく傾向がみられた. 良く知っていたのが, 25.5%, 全く知らなかうたのが25.9%, 最も多いのが家族からみて気付いていたといえるのが40.5%である. 我々の一連の調査や岡崎2)の告知事例の報告でも癌の病状を知っている患者が, 病状に神経質になっていく一方, 治療に非常に積極的になっていくことも報告されている. 薬物療法を含め全ての治療が生命に直接影響を及ぼす意味があるだけに真剣に対処しなければならない. 同時に不安も非常におおきい. さらに癌患者は高齢者が多く, 高度先進医療を受けた多重病歴, 合併症が加わる. 服薬手帳, コンピューターへのインプットなどの服薬記録も必要になってくる. これまで医師看護婦を中心とした患者ケアのコミュニケーションに薬剤師が加わった. 癌患者における病名, 病状の認知の程度と薬物療法のインフォームド・コンセントのあり方は今後の綿密な連係を必要とするところである. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.46.196 |