インターフェロンによる急性腎不全を合併した多発性骨髄腫の1例

多発性骨髄腫の患者でインターフエロンによる急性腎不全を合併した症例を報告する. 症例は63才の男性で, 2年前よりIgG-λ型の多発性骨髄腫として加療中であつたが腰痛が出現したため入院. 天然型αインターフエロン150万単位を7日間筋肉内投与したところ急性腎不全(血清クレアチニン4.7mg/dl, 尿素窒素99mg/dl)となつた. 保存的治療により腎機能は改善傾向にあつたが肺炎を併発し第25病日に死亡した. インターフエロン以外には発熱, 脱水, 感染症, 高尿酸血症, 高カルシウム血症などの急性腎不全の原因となるものは認められなかつた. インターフエロンによる急性腎不全は欧米では2例の報告...

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Veröffentlicht in:医療 1990/04/20, Vol.44(4), pp.425-429
Hauptverfasser: 影山, 洋, 中山, 成一, 佐藤, 美智子, 小松, 崎修, 吉田, 康洋, 池尻, 公二
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:多発性骨髄腫の患者でインターフエロンによる急性腎不全を合併した症例を報告する. 症例は63才の男性で, 2年前よりIgG-λ型の多発性骨髄腫として加療中であつたが腰痛が出現したため入院. 天然型αインターフエロン150万単位を7日間筋肉内投与したところ急性腎不全(血清クレアチニン4.7mg/dl, 尿素窒素99mg/dl)となつた. 保存的治療により腎機能は改善傾向にあつたが肺炎を併発し第25病日に死亡した. インターフエロン以外には発熱, 脱水, 感染症, 高尿酸血症, 高カルシウム血症などの急性腎不全の原因となるものは認められなかつた. インターフエロンによる急性腎不全は欧米では2例の報告があるが本邦では本症例が第1例である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.44.425