骨粗鬆症の臨床(第2報): ビタミンD療法におけるカルシウム剤併用について

閉経後または老人性骨粗鬆症の病態はまだ不明確な部分が多いが, われわれは血清Al-p値の低値群(L群, 8.4KAU以下)と高値群(H群, 8.5KAU以上)とを区別する必要があると考えている. 治療法は最近では活性型ビタミンD(α-D3)投与が一般的であるが, L群とH群とでは治療に対する反応も異なると予想された. そこで骨粗鬆症75症例(対称群10, α-D3単独投与42, α-D3とCa剤併用23)について, 血清Al-p値, Ca値およびMD法による観察を12カ月間行つた. MD法各指標のうちMCI以外の指標では, 治療群が対称群に比して有意に高値でありα-D3治療の有用性が示された....

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Veröffentlicht in:医療 1989/10/20, Vol.43(10), pp.1019-1024
Hauptverfasser: 横井, 秋夫, 細川, 昌俊, 加藤, 哲也, 福井, 康之, 山下, 方也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:閉経後または老人性骨粗鬆症の病態はまだ不明確な部分が多いが, われわれは血清Al-p値の低値群(L群, 8.4KAU以下)と高値群(H群, 8.5KAU以上)とを区別する必要があると考えている. 治療法は最近では活性型ビタミンD(α-D3)投与が一般的であるが, L群とH群とでは治療に対する反応も異なると予想された. そこで骨粗鬆症75症例(対称群10, α-D3単独投与42, α-D3とCa剤併用23)について, 血清Al-p値, Ca値およびMD法による観察を12カ月間行つた. MD法各指標のうちMCI以外の指標では, 治療群が対称群に比して有意に高値でありα-D3治療の有用性が示された. また治療群の血清Al-p値は有意に低下するが, Ca値は有意な変動を認めなかつた. 治療法別にみると, L群に対してはα-D3 1μg/dayと乳酸Ca 3~6g/day併用療法が有効であつた. 一方H群に対してはCa剤投与による高Ca血症の発現が懸念されるため, α-D3単独投与の方が有用性があると考えられた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.43.1019