骨粗鬆症の臨床: 第1報 血液化学的・X線学的一考察
過去3年間に当院で骨粗鬆症と診断された患者のうち74例について検討を加えた. 血液化学的所見では, 血清CaとPは正常範囲内であつたが, 血清Alpは平均値が8.4KA単位とやや高く, また約30%の症例は10KA単位を越えており, いわゆるosteoporo-malaciaの併存を暗示していた. 詳細な分析を行うために患者を2群に分けた;H群はAlp値が8.4以上のものであり, L群は8.4未満である. X線学的には第2中手骨のmicrodensitometry (MD法)を用いて, H群あるいはL群と年令あるいは閉経年数との相関関係を電算器処理した. L群においては患者の年令も閉経年数もM...
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Veröffentlicht in: | 医療 1986/08/20, Vol.40(8), pp.684-688 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 過去3年間に当院で骨粗鬆症と診断された患者のうち74例について検討を加えた. 血液化学的所見では, 血清CaとPは正常範囲内であつたが, 血清Alpは平均値が8.4KA単位とやや高く, また約30%の症例は10KA単位を越えており, いわゆるosteoporo-malaciaの併存を暗示していた. 詳細な分析を行うために患者を2群に分けた;H群はAlp値が8.4以上のものであり, L群は8.4未満である. X線学的には第2中手骨のmicrodensitometry (MD法)を用いて, H群あるいはL群と年令あるいは閉経年数との相関関係を電算器処理した. L群においては患者の年令も閉経年数もMD法各指標と統計的に有意な相関を示したが, 一方H群においてはMCIという指標を除いて有意な相関はなかつた. これらのことは, H群は独特の病態を有しており, 骨皮質幅はL群のそれに比して狭いが, 骨密度に関しては有意差がなく, 年令の影響も受けないということを意味している. 結論的には, H群は通常の骨粗鬆症とは異なつた別個の疾患に分類きれるべきであると考えられる. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.40.684 |