癌の治療と免疫パラメーター

癌の細胞性免疫能のパラメーターとして, 臨床の場で簡単に実施し得るPPDおよびPHA両皮内反応, 末梢血リンパ球絶対数の3者を用い, 癌の治療中におけるこれらの推移を検討した. 3者の中では, リンパ球数の消長が病態との相関が最も良好であつた. すなわちリンパ球数を1,000以上と未満に分けると, 正常者コントロール群では, 1,000未満を1例も見ないが, 癌患者群では, 治療前16.3%, 治療中38.1%, 治療後48.9%と治療によつて1,000未満の比率の増加が見られた. 更に病態改善群と悪化・死亡群の2群に分けてみると, 両群とも治療中では1,000未満の比率が増加するが, 治療後...

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Veröffentlicht in:医療 1979/05/20, Vol.33(5), pp.465-469
Hauptverfasser: 伊藤, 廣, 小泉, 潔, 立野, 育郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:癌の細胞性免疫能のパラメーターとして, 臨床の場で簡単に実施し得るPPDおよびPHA両皮内反応, 末梢血リンパ球絶対数の3者を用い, 癌の治療中におけるこれらの推移を検討した. 3者の中では, リンパ球数の消長が病態との相関が最も良好であつた. すなわちリンパ球数を1,000以上と未満に分けると, 正常者コントロール群では, 1,000未満を1例も見ないが, 癌患者群では, 治療前16.3%, 治療中38.1%, 治療後48.9%と治療によつて1,000未満の比率の増加が見られた. 更に病態改善群と悪化・死亡群の2群に分けてみると, 両群とも治療中では1,000未満の比率が増加するが, 治療後では, 前者が36%にとどまるのに対し, 後者では66.7%が1,000未満に低下しており対照的であつた. 治療中における治療法の見直しの手がかりとして, 末血リンパ球絶対数を使うことは, 単に白血球数の増減を見る以上に有意義と考えられる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.33.465