剖検例よりみた薬物の副作用
アミロイドジスと多発性骨髄腫, 対象群との再評価 多発性骨髄腫(以下MM)症例の15%にアミロイドオジズ(AMとする)があり, さらに形質細胞異常およびParaproteinemiaにもPrimary AMの症例の報告がある. これらの観察から形質細胞の機能異常, 免疫グロブリン産生の乱れがAMの沈降に重要なる因子であるとの結論が導きだされる. 特にBence-Jones蛋白がAMの主要成分とされ, 更に最近の研究によるとAmyloid fibrilと種々の免疫グロブリンのLight chainの一部とが構成上, 密接なる関係があると述べられている. これに対し, ヒトAMにParaprote...
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Veröffentlicht in: | 医療 1973/12/20, Vol.27(12), pp.1201-1204 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | アミロイドジスと多発性骨髄腫, 対象群との再評価 多発性骨髄腫(以下MM)症例の15%にアミロイドオジズ(AMとする)があり, さらに形質細胞異常およびParaproteinemiaにもPrimary AMの症例の報告がある. これらの観察から形質細胞の機能異常, 免疫グロブリン産生の乱れがAMの沈降に重要なる因子であるとの結論が導きだされる. 特にBence-Jones蛋白がAMの主要成分とされ, 更に最近の研究によるとAmyloid fibrilと種々の免疫グロブリンのLight chainの一部とが構成上, 密接なる関係があると述べられている. これに対し, ヒトAMにParaproteinemiaがみられないこと, 実験的研究でもAMと高グロブリン血症とは必ずしも一定の関係がないとされている. MMにおけるAMの合併の文献は, 多くは症例報告であり, 対象群をおいて系統的に検討している研究は少ない. 特にアミロイド沈着と加令とが密接なる関係が, 重要視されている現在, 対象群(同年令者の他疾患症例)をおいての研究が必要であることはいうまでもない. そこで著者らは, MM 35例と対象例138例とを比較検討し, 次のことを明らかにした. 1)MM症例のアミロイド沈着には, 加令により特に増強されるという傾向があり, 2)MM症例と対象症例とのアミロイド沈着における剖検上での区別することは難しい. 3)しかしRenal tubular castsの電顕所見はMM症例の特徴所見であり, 対象群では認められなかつた. さらに心臓, 血管系における大量のアミロイド沈着は両群ともに認められ, MMにおける必発の症状ではない. 以上のことからMMにおけるAMの合併は, 以前の報告に見られるよりも頻度が少ないものと思われるが, 免疫グロブリン, あるいは免疫グロブリンFragmentsがAMの病因には重大なる関係があり, さらに組織沈着するためには, 付加的因子の必要性があると思われ, 今後一層の検討を要するという. (表7, 写真2, 文献52) |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.27.1201 |