血液稀釈体外循環の問題点-Disposable Bubble Oxygenatorによる場合を中心に
血液の節減を目的として, 1960年ころより血液稀釈体外循環が臨床に応用され始めてから, すでに10年を経ようとしている. その間, 術後肝炎発生の問題, 同種血症候群の概念の導入などもあつて, 最近では血液の節減のみならず, 血液を稀釈すること自体による利点が期待されるようになり, 血液稀釈は, 体外循環を行なうに際しての必須条件となつたといつても過言ではなかろう. しかしながら, これは, 急速にかつ高度に血液を稀釈する非生理的な潅流方法であつて, あくまで生体の代償機能の範囲内において行なわれるものであるにもかかわらず, 基本的な問題についての研究はきわめて少ない. そこで本論文において...
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Veröffentlicht in: | 医療 1969-11, Vol.23 (11), p.1373-1385 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 血液の節減を目的として, 1960年ころより血液稀釈体外循環が臨床に応用され始めてから, すでに10年を経ようとしている. その間, 術後肝炎発生の問題, 同種血症候群の概念の導入などもあつて, 最近では血液の節減のみならず, 血液を稀釈すること自体による利点が期待されるようになり, 血液稀釈は, 体外循環を行なうに際しての必須条件となつたといつても過言ではなかろう. しかしながら, これは, 急速にかつ高度に血液を稀釈する非生理的な潅流方法であつて, あくまで生体の代償機能の範囲内において行なわれるものであるにもかかわらず, 基本的な問題についての研究はきわめて少ない. そこで本論文においては, 当院におけるささやかな経験と, 大阪大学第一外科教室において行なつた基礎的研究の一端をもとに, 血液稀釈体外循環の種々の問題点について考えてみた. |
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ISSN: | 0021-1699 |