小腸腫瘍について

腸管は腫瘍の比較的好発部位に属している. 癌腫についてみると, 全癌腫の10~15%を占め, 良性腫瘍についても, 好発部位の一つとされている. しかしその部位, 種類別についてみるときは, かなり著明な差異がある. 胃腸管腫瘍全般を通じては, その約80%が悪性腫瘍であり, 良性腫瘍は20%にすぎない. 腸管では良性腫瘍が比較的多く, 部位による差異が著明で, 全胃腸管良性腫瘍の約45%は大腸にみられ, 25%は小腸にみられる. 腸管悪性腫瘍においては, 大腸腫瘍の中, 75%は癌腫であり, 小腸においては40%が癌腫とされている. われわれは最近, 小腸に原発した腫瘍4症例を治療する機会を...

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Veröffentlicht in:医療 1968/11/20, Vol.22(11), pp.1329-1332
Hauptverfasser: 坂本, 光弘, 立沢, 貞彦, 永井, 長純, 高藤, 歳夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腸管は腫瘍の比較的好発部位に属している. 癌腫についてみると, 全癌腫の10~15%を占め, 良性腫瘍についても, 好発部位の一つとされている. しかしその部位, 種類別についてみるときは, かなり著明な差異がある. 胃腸管腫瘍全般を通じては, その約80%が悪性腫瘍であり, 良性腫瘍は20%にすぎない. 腸管では良性腫瘍が比較的多く, 部位による差異が著明で, 全胃腸管良性腫瘍の約45%は大腸にみられ, 25%は小腸にみられる. 腸管悪性腫瘍においては, 大腸腫瘍の中, 75%は癌腫であり, 小腸においては40%が癌腫とされている. われわれは最近, 小腸に原発した腫瘍4症例を治療する機会を得たので, これらについて報告し, あわせて若干の統計的観察を試みたいと思う. 実験症例 われわれの実験した小腸腫瘍症例は, つぎのとおりである. 症例1 15才 男子 家族歴, 既往歴には特記すべきものなし. 現症歴:昭和39年4月6日ころより, 上腹部自発痛 が現われたが, 嘔気, 嘔吐はなく, 他覚的に臍上部に圧痛を認めるほか, 腹部膨満なく, 腫瘤は触知せず, やや便秘気味という.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.22.1329