頭部通電痙攣療法(ECT)が心臓血管系に及ぼす影響

1870年, Hitzig1)が動物の脳に通電し, 癲癇様発作を起させ, 1936年, CerlettiとBiniが頭部通電痙攣療法を, うつ病や分裂病などの治療に用いて以来, これが広く行なわれてきた. それに伴う脊椎骨折や心停止による死亡なども数多く報告されてきた2)~9). 頭部に通電中, 心電図を記緑することは, 電気刺激のため不可能である. イヌの通電後の動脈波に関するBrawn10)の論文より, 通電中の心臓血管系の動態の記録には, 動脈波が適当と考えた. さらに通電部位および通電の反復による変化, Atropine sulfate(Atr)の前投薬が, ECTによる心停止を抑制す...

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Veröffentlicht in:医療 1967/09/20, Vol.21(9), pp.1047-1057
Hauptverfasser: 黒沢, 柾美, 松原, 卓郎, 川井, 三郎, 守屋, 已代次, 津村, 輝子, 橋本, 節子, 富, 永一, 石田, 元男, 折僑, 洋一郎, 芳賀, 道信, 五十, 嵐明, 山下, 九三夫, 太田, 正人, 浦上, 裕, 安藤, 文治, 外山, 良子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1870年, Hitzig1)が動物の脳に通電し, 癲癇様発作を起させ, 1936年, CerlettiとBiniが頭部通電痙攣療法を, うつ病や分裂病などの治療に用いて以来, これが広く行なわれてきた. それに伴う脊椎骨折や心停止による死亡なども数多く報告されてきた2)~9). 頭部に通電中, 心電図を記緑することは, 電気刺激のため不可能である. イヌの通電後の動脈波に関するBrawn10)の論文より, 通電中の心臓血管系の動態の記録には, 動脈波が適当と考えた. さらに通電部位および通電の反復による変化, Atropine sulfate(Atr)の前投薬が, ECTによる心停止を抑制するかどうかを検索した. よく知られているように, ECTによる心停止と無呼吸によつて, 患者は著明なチアノーゼとなり, Altschule11)たちが報告したように, 通電の初期には動脈血酸素分圧(Po2)の減少, 炭酸ガス分圧(Pco2)の増加, およびAcidosisがおきている.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.21.1047