内視鏡専門医の観点から―現状と対策

胆膵内視鏡は,ERCP関連手技とEUS関連手技がある.主な偶発症は出血や穿孔,膵炎である.内視鏡手技を行うにあたっては,その頻度や危険因子をよく理解し施行すべきである.また偶発症が発生した場合には,その病態や重症度を適切に評価し治療にあたるべきである.出血と穿孔に関しては,種々の治療により,内視鏡的な対応が可能となってきている.しかしながら,内視鏡治療のみでは対応が困難な場合もあり,外科医や放射線科医と緊密な連携をとった上で必要に応じて,どの治療介入が適切なのかを早期に判断する必要がある.さらに近年の技術の進歩により,小腸内視鏡を用いたERCP関連手技や,Interventional EUSの...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2021/08/10, Vol.118(8), pp.716-727
Hauptverfasser: 潟沼, 朗生, 豊永, 啓翔, 石井, 達也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:胆膵内視鏡は,ERCP関連手技とEUS関連手技がある.主な偶発症は出血や穿孔,膵炎である.内視鏡手技を行うにあたっては,その頻度や危険因子をよく理解し施行すべきである.また偶発症が発生した場合には,その病態や重症度を適切に評価し治療にあたるべきである.出血と穿孔に関しては,種々の治療により,内視鏡的な対応が可能となってきている.しかしながら,内視鏡治療のみでは対応が困難な場合もあり,外科医や放射線科医と緊密な連携をとった上で必要に応じて,どの治療介入が適切なのかを早期に判断する必要がある.さらに近年の技術の進歩により,小腸内視鏡を用いたERCP関連手技や,Interventional EUSの治療手技が可能となってきており,それぞれの手技による新たな偶発症の病態もある.偶発症に対する適切な対応は必須であるが,何より偶発症をおこさないような,内視鏡医の手技技術の向上も不可欠である.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.118.716