進行肝細胞癌に対するソラフェニブの現状と今後の展望

ソラフェニブは,プラセボと比較した2つのランダム化比較試験において明らかな延命効果が示され,進行肝細胞癌に対する標準治療として位置付けられた.これまで局所療法を駆使して患者の延命を図ってきたが,ソラフェニブの登場で生存期間の更なる延長が期待できるようになった.ソラフェニブを上手く活用するために,適応,治療成績や副作用を熟知しておくことが重要である.また,ソラフェニブ登場前から日本でよく行われている肝動注化学療法との棲み分けを明らかにすることも重要である.現在,ソラフェニブは局所療法後の補助療法,肝動脈化学塞栓術との併用療法の開発が行われており,早期の対象にも適応が広がることが期待されている....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2012, Vol.109(8), pp.1346-1354
Hauptverfasser: 池田, 公史, 光永, 修一, 清水, 怜, 大野, 泉, 高橋, 秀明, 奥山, 浩之, 桑原, 明子, 奥坂, 拓志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ソラフェニブは,プラセボと比較した2つのランダム化比較試験において明らかな延命効果が示され,進行肝細胞癌に対する標準治療として位置付けられた.これまで局所療法を駆使して患者の延命を図ってきたが,ソラフェニブの登場で生存期間の更なる延長が期待できるようになった.ソラフェニブを上手く活用するために,適応,治療成績や副作用を熟知しておくことが重要である.また,ソラフェニブ登場前から日本でよく行われている肝動注化学療法との棲み分けを明らかにすることも重要である.現在,ソラフェニブは局所療法後の補助療法,肝動脈化学塞栓術との併用療法の開発が行われており,早期の対象にも適応が広がることが期待されている.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.109.1346