O139型コレラの1例

コレラはビブリオ属genus Vibrio種のVibrio choleraeであり, 従来O抗原により138の型に分類されていた. O1かつコレラ毒を産生するものを真性コレラ, O2からO138をVibrio cholerae non-O1(NOGビブリオ)と分類されており, いずれも流行は起こさないとされていた. しかし, このいずれにも属さない, 新型コレラO-139が近年報告され注目されている1)-4). 1992年10月インド南部に流行がはじまり, 翌年にはインド全土に広がり近隣諸国である, タイ, ネパール, パキスタン, マレーシア, ミャンマー, 中国, スリランカ, バングラデ...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1998, Vol.95(6), pp.534-538
Hauptverfasser: 稲田, 浩之, 山浦, 修一, 小口, 智雅, 前山, 浩信, 大池, 淑元, 中川, 道夫, 宜保, 行雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:コレラはビブリオ属genus Vibrio種のVibrio choleraeであり, 従来O抗原により138の型に分類されていた. O1かつコレラ毒を産生するものを真性コレラ, O2からO138をVibrio cholerae non-O1(NOGビブリオ)と分類されており, いずれも流行は起こさないとされていた. しかし, このいずれにも属さない, 新型コレラO-139が近年報告され注目されている1)-4). 1992年10月インド南部に流行がはじまり, 翌年にはインド全土に広がり近隣諸国である, タイ, ネパール, パキスタン, マレーシア, ミャンマー, 中国, スリランカ, バングラディシュでも従来のV. cholerae O1とは異なる菌種(O-139)によるコレラが報告されている. 現在までの分類ではO139はVibrio cholerae non-O1であるもコレラ毒を産生し流行を引き起こす能力を持ち, いわゆるコレラと同じ性状を示すもので, 血清型が異なる新型として報告されるようになった9). 一方本邦では1993年4月埼玉県でインドヘの旅行者の発症が最初の報告例であった.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.95.534