短期間に縮小増大し,内視鏡的吸引粘膜切除術により診断しえた胃迷入膵の1例
「はじめに」胃迷入膵は胃粘膜下腫瘍の中でも筋原性腫瘍に次いで頻度が高い疾患で, 非癌性胃腫瘍の3.6%を占める1). 臨床症状は非特異的で, 生検で確定診断されることはまれである. 今回われわれは腫瘤の増大時に上腹部痛が増強し縮小時に軽減するという特異な症状を呈した胃迷入膵の1例を経験した. 本例は超音波内視鏡(EUS)により臨床経過を観察しえ, 組織診断確定と治療にわれわれの開発した内視鏡的吸引粘膜切除法(Endoscopic aspiration mucosectomy:EAM)2)が有用であったので報告する. I症例 患者:31歳, 女性. 主訴:繰り返す上腹部痛. 既往歴, 家族歴:特...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1996/03/05, Vol.93(3), pp.176-180 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」胃迷入膵は胃粘膜下腫瘍の中でも筋原性腫瘍に次いで頻度が高い疾患で, 非癌性胃腫瘍の3.6%を占める1). 臨床症状は非特異的で, 生検で確定診断されることはまれである. 今回われわれは腫瘤の増大時に上腹部痛が増強し縮小時に軽減するという特異な症状を呈した胃迷入膵の1例を経験した. 本例は超音波内視鏡(EUS)により臨床経過を観察しえ, 組織診断確定と治療にわれわれの開発した内視鏡的吸引粘膜切除法(Endoscopic aspiration mucosectomy:EAM)2)が有用であったので報告する. I症例 患者:31歳, 女性. 主訴:繰り返す上腹部痛. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:生来健康であったが, 軽度の上腹部痛にて1990年6月近医で上部消化管内視鏡検査を受け, 径2cm程度の隆起性病変を指摘されたが放置していた. 1992年11月より強い上腹部痛と嘔吐を来し, 内視鏡再検では腫瘤が径5cmに増大していた. 抗コリン剤と抗潰瘍剤で一時症状改善したが, 12月より再び上腹部痛が出現し, 腹痛が反復するため本院受診, 精査加療目的で入院となった. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.93.176 |