放射線起因性肝中心静脈閉塞症(veno-occlusive disease)を合併した多発性骨髄腫の1剖検例
肝のveno-occlusive disease(以下VOD)は, 中心静脈および小葉下静脈の閉塞によりうっ血性肝障害を来すまれな疾患であるが, 近年骨髄移植後の致死率の高い合併症として問題となっている1). 今回われわれは放射線起因性肝VODを認めた多発性骨髄腫患者の1剖検例を経験した. 本邦において放射線起因性肝VODの報告はきわめて少なく, 臨床上貴重な1例と考えたので若干の文献的考察を加えて報告する. I 症例患者:62歳, 女性. 主訴:腹部膨満感. 既往歴:24歳時虫垂炎, 50歳時子宮癌にて子宮全摘(輸血歴あり). 嗜好歴:タバコ(-), 酒(-). 家族歴:父食道癌, 母脳出血...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1995, Vol.92(5), pp.904-908 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 肝のveno-occlusive disease(以下VOD)は, 中心静脈および小葉下静脈の閉塞によりうっ血性肝障害を来すまれな疾患であるが, 近年骨髄移植後の致死率の高い合併症として問題となっている1). 今回われわれは放射線起因性肝VODを認めた多発性骨髄腫患者の1剖検例を経験した. 本邦において放射線起因性肝VODの報告はきわめて少なく, 臨床上貴重な1例と考えたので若干の文献的考察を加えて報告する. I 症例患者:62歳, 女性. 主訴:腹部膨満感. 既往歴:24歳時虫垂炎, 50歳時子宮癌にて子宮全摘(輸血歴あり). 嗜好歴:タバコ(-), 酒(-). 家族歴:父食道癌, 母脳出血. 現病歴:1990年2月, 腰痛を主訴に近医を受診. 多発性骨髄腫(IgG-κ型, 尿中Bence Jones蛋白陽性)と診断, MP(melphalan(L-PAM), prednisolone(PSL))療法を開始された. 5月より転居に伴い当院に通院となった. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.92.904 |