No.40 直流鍼通電刺激の末梢神経再生に及ぼす影響
[目的]末梢神経の再生に及ぼす鍼および間欠的直流鍼通電刺激の影響を機能学的, 組織学的に検討した. [方法]55匹の成熟ラットの坐骨神経に圧挫損傷を与え, 4つの実験群(無処置群, 鍼群, 末梢陰極群, 末梢陽極群)に分けた. 末梢陰極群は, 圧挫部の近位側と遠位側に絶縁鍼を刺入し, 遠位側を陰極とした直流鍼通電刺激(10Hz, 10V, 15分)を毎日行った. 末梢陽極群は末梢陰極群の極性を逆にし, 遠位側を陽極とした. 無処置群は圧挫損傷後に治療的処置を行わず, 鍼群は鍼の刺入のみ行った. 神経再生の評価は, 圧挫損傷後1, 2, 3, 4週に行い, 項目は足底部12部位における誘発EMG...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本温泉気候物理医学会雑誌 2011, Vol.75 (1), p.54-55 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | [目的]末梢神経の再生に及ぼす鍼および間欠的直流鍼通電刺激の影響を機能学的, 組織学的に検討した. [方法]55匹の成熟ラットの坐骨神経に圧挫損傷を与え, 4つの実験群(無処置群, 鍼群, 末梢陰極群, 末梢陽極群)に分けた. 末梢陰極群は, 圧挫部の近位側と遠位側に絶縁鍼を刺入し, 遠位側を陰極とした直流鍼通電刺激(10Hz, 10V, 15分)を毎日行った. 末梢陽極群は末梢陰極群の極性を逆にし, 遠位側を陽極とした. 無処置群は圧挫損傷後に治療的処置を行わず, 鍼群は鍼の刺入のみ行った. 神経再生の評価は, 圧挫損傷後1, 2, 3, 4週に行い, 項目は足底部12部位における誘発EMGの出現率・潜時, behavioural test score, 前脛骨筋の%湿重量, および組織学的評価とした. [結果]すべての評価項目において, 無処置群と鍼群の間に有意差は無かった. しかし, すべての評価項目において, 末梢陰極群は無処置群と比較して有意に良好な結果を示し, 末梢陽極群は無処置群と比較して神経再生は不良であった. [考察と結語]末梢陰極群が良好な結果であった理由として, 1)神経再生に必要な神経栄養因子・接着因子等が陰極に向かって電気泳動する性質, 2)軸索損傷の二次損傷として生じるCa2+による近位断端の破壊の抑制等が考えられた. 鍼は深部組織への刺入が容易であり, 神経損傷後の神経再生の促進に有効な治療法となる可能性を考えた. |
---|---|
ISSN: | 0029-0343 |