腹腔鏡下子宮全摘出術時の子宮動脈本管の処理法について

【目的】腹腔鏡下子宮全摘出術時に子宮動脈本管の切断を腹腔鏡下に行う方法を, 従来, 当科で行ってきた腹腔鏡下子宮全摘出術を比較検討する. 【方法】腹腔鏡下子宮全摘出術時に腹腔鏡下に子宮動脈本管を処理した17例(子宮動脈処理群)を, それ以前の子宮動脈の処理を行わなかった腹腔鏡下子宮全摘出術20例(非処理群)をhistorical controlに, 手術時間, 出血量, 合併症等について比較検討した. 5mm鉗子操作用ポートを下腹部に3ヵ所置き, 子宮マニュピュレーターは使用しなかった. 子宮動脈本管の処理法は, 後腹膜腔を開放し側臍靱帯(内腸骨動脈)より内側に分岐している子宮動脈本管を単離し...

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Hauptverfasser: 角田肇, 松本光司, 藤木豊, 染谷勝巳, 杉田匡聡, 佐藤豊実, 沖明典, 吉川裕之
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】腹腔鏡下子宮全摘出術時に子宮動脈本管の切断を腹腔鏡下に行う方法を, 従来, 当科で行ってきた腹腔鏡下子宮全摘出術を比較検討する. 【方法】腹腔鏡下子宮全摘出術時に腹腔鏡下に子宮動脈本管を処理した17例(子宮動脈処理群)を, それ以前の子宮動脈の処理を行わなかった腹腔鏡下子宮全摘出術20例(非処理群)をhistorical controlに, 手術時間, 出血量, 合併症等について比較検討した. 5mm鉗子操作用ポートを下腹部に3ヵ所置き, 子宮マニュピュレーターは使用しなかった. 子宮動脈本管の処理法は, 後腹膜腔を開放し側臍靱帯(内腸骨動脈)より内側に分岐している子宮動脈本管を単離し, リガシュア, アトラス5mmを用いて切断した. 【結果】開腹に変更した症例は, 子宮動脈処理群, 非処理群ともなかった. 術中出血量(mean±S.D.)は子宮動脈処理群161±124g, 非処理群409±491gと子宮動脈本管を処理することにより減少した(p=0.057). 手術時間(mean±S.D.)は子宮動脈処理群3時間38分±29分, 非処理群2時間57分±74分と子宮動脈処理群で手術時間が若干延長した. 【考察】リガシュア, アトラス5mmで安全に子宮動脈本幹の処理ができた. 子宮マニュピュレーターを使用せずに子宮動脈処理ができる本法は, 初期子宮体癌に応用可能であると考えられた.
ISSN:1884-9938