不妊症に対する腹腔鏡後の妊娠症例の検討
1998年1月から2001年12月に腹腔鏡を実施した不妊症例130例のうち, その後の不妊治療により妊娠が成立した94例を高度生殖医療(ART)群46例と非ART群48例に分け, 不妊症例に対する腹腔鏡の臨床的意義を検討した. なお腹腔鏡下の手術には外径10mmのハッソン型トラカールによるオープン法, 診断には外径3mmのNCS3027D(オリンパス社製)によるクローズド法を用いた. また全例, 気腹法で全身麻酔下に行った. 対象の年令および不妊期間のmean±SDはART群(n=46), 非ART群(n=48)それぞれ31.5±3.2才vs29.5±3.2才, 39.8±31.3ヵ月vs22...
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Zusammenfassung: | 1998年1月から2001年12月に腹腔鏡を実施した不妊症例130例のうち, その後の不妊治療により妊娠が成立した94例を高度生殖医療(ART)群46例と非ART群48例に分け, 不妊症例に対する腹腔鏡の臨床的意義を検討した. なお腹腔鏡下の手術には外径10mmのハッソン型トラカールによるオープン法, 診断には外径3mmのNCS3027D(オリンパス社製)によるクローズド法を用いた. また全例, 気腹法で全身麻酔下に行った. 対象の年令および不妊期間のmean±SDはART群(n=46), 非ART群(n=48)それぞれ31.5±3.2才vs29.5±3.2才, 39.8±31.3ヵ月vs22.5±26.1ヵ月であった. また腹腔鏡から妊娠成立までの月数はそれぞれ17.3±12.9ヵ月vs8.5±9.2ヵ月とART群で不妊期間と同様に長い傾向を示した. 初期流産はART群8例, 17%, 非ART群6例, 13%で, 子宮外妊娠はART群の1例のみであった. 一方, 子宮内膜症がART群で25例, 54%, 非ART群では18例, 38%存在したが, 軽症子宮内膜症の頻度は72%vs67%と両群とも同等であった. またクラミジア抗体の陽性症例もそれぞれ5例, 11%vs6例, 13%と両群で同等であったが, 両側の付属器癒着スコアは前者で高い傾向を示した. 今回の検討から特に付属器癒着スコアが高くかつ両側性の場合はARTの適応となる傾向が強かった. 一方, 片側性で癒着剥離が実施できた場合には一般不妊治療でも十分妊娠が期待できることが示唆された. また, 腹腔鏡から妊娠成立までの月数の検討から術後1年をめどにARTの実施を考慮すべきと思われた. |
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ISSN: | 1884-9938 |