舌痛の原因と対処 総論 ~舌痛症とBurning Mouth Syndromeをup to dateする

「はじめに-舌痛と舌痛症-」舌には様々な病変が現れ, 痛みを伴うことが多く, 日常の歯科臨床で遭遇する機会も少なくない. このような舌に生じる痛み, いわゆる舌痛(Glossalgia)には原因が明らかなものと明らかではないものとがある. 前者は舌に器質的変化を認める侵害受容性疼痛であり, 後者には舌に肉眼的な器質的変化を認めない神経障害性疼痛, あるいは原因不明で心因性や特発性の疼痛が疑われる舌痛症(Glossodynia)などが含まれる. また, 舌痛の原因は全身的なものと局所的なものにも分類されるが, これらは診断に苦慮することは少ない. 一方, 舌痛症の確定は除外診断に頼ることも多く,...

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Veröffentlicht in:歯科薬物療法 2016-04, Vol.35 (1), p.53-56
1. Verfasser: 松野智宣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに-舌痛と舌痛症-」舌には様々な病変が現れ, 痛みを伴うことが多く, 日常の歯科臨床で遭遇する機会も少なくない. このような舌に生じる痛み, いわゆる舌痛(Glossalgia)には原因が明らかなものと明らかではないものとがある. 前者は舌に器質的変化を認める侵害受容性疼痛であり, 後者には舌に肉眼的な器質的変化を認めない神経障害性疼痛, あるいは原因不明で心因性や特発性の疼痛が疑われる舌痛症(Glossodynia)などが含まれる. また, 舌痛の原因は全身的なものと局所的なものにも分類されるが, これらは診断に苦慮することは少ない. 一方, 舌痛症の確定は除外診断に頼ることも多く, 治療にも苦慮することが多い. なお, 原因が特定できる侵害受容性疼痛は原因療法あるいは対症療法によって症状の改善が期待できる. 「舌痛症とBurning Mouth Syndrome」原因不明の疼痛が舌に現れる病態はすでに19世紀中頃には報告されているが, Glossodyniaとして発表されたのは20世紀初頭, ButlinとOppenheimによるものである.
ISSN:0288-1012