ケタミン,フェンタニルを用いたIV-PCAの有用性:整形外科上肢手術後症例での検討

上肢の骨折に対する骨接合術は術後痛が強く,フェンタニルの持続投与のみで動作時痛まで緩和するのは難しい.今回,橈骨遠位端骨折に対する骨接合術を受けた35症例に対し,ケタミン100mg,フェンタニル1mg,制吐剤(計50mL)を用いて約1.0mL/hで持続投与し,経静脈的自己調節鎮痛を行った.NSAIDs,トラマドール,デキサメタゾン静注を併用した.手術直後から神経学的診察が可能であり,患者満足度の高い鎮痛効果を得られた.手術翌朝まで幻覚などの重大な副作用はなく,8.5%に吐気を認めたが,嘔吐した症例はなかった.上肢骨折手術の術後鎮痛法を紹介した....

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2016/01/15, Vol.36(1), pp.25-28
Hauptverfasser: 武藤, 茉莉子, 田中, 洋一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:上肢の骨折に対する骨接合術は術後痛が強く,フェンタニルの持続投与のみで動作時痛まで緩和するのは難しい.今回,橈骨遠位端骨折に対する骨接合術を受けた35症例に対し,ケタミン100mg,フェンタニル1mg,制吐剤(計50mL)を用いて約1.0mL/hで持続投与し,経静脈的自己調節鎮痛を行った.NSAIDs,トラマドール,デキサメタゾン静注を併用した.手術直後から神経学的診察が可能であり,患者満足度の高い鎮痛効果を得られた.手術翌朝まで幻覚などの重大な副作用はなく,8.5%に吐気を認めたが,嘔吐した症例はなかった.上肢骨折手術の術後鎮痛法を紹介した.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.36.25