全身性炎症反応症候群(SIRS)と頻脈性不整脈,その治療戦略

全身性炎症反応症候群(SIRS)にはさまざまな病態が伴うが,頻脈性不整脈もこの経過中にしばしば遭遇する病態である.心筋においても他の臓器と同様に炎症による変化が観察され,不整脈や心不全発症の原因となる.心房細動などの頻脈性不整脈発症には,炎症による交感神経の過緊張状態,カテコラミンに対する反応性の変化,活動電位を構成するイオンチャネルの発現に対する影響,炎症により過剰産生されたNOによるイオンチャネル機能の修飾などさまざまな要因が関係している.このような状態においてはもはやカテコラミンのみによる治療は効果に限界があり,PDE III阻害薬とβ遮断薬を使った治療などの新しい治療戦略の構築が求めら...

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2010, Vol.30(5), pp.765-770
Hauptverfasser: 畠山, 登, 青木, 優太, 木下, 浩之, 寺前, 洋生, 松田, 直之, 山崎, 光章
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:全身性炎症反応症候群(SIRS)にはさまざまな病態が伴うが,頻脈性不整脈もこの経過中にしばしば遭遇する病態である.心筋においても他の臓器と同様に炎症による変化が観察され,不整脈や心不全発症の原因となる.心房細動などの頻脈性不整脈発症には,炎症による交感神経の過緊張状態,カテコラミンに対する反応性の変化,活動電位を構成するイオンチャネルの発現に対する影響,炎症により過剰産生されたNOによるイオンチャネル機能の修飾などさまざまな要因が関係している.このような状態においてはもはやカテコラミンのみによる治療は効果に限界があり,PDE III阻害薬とβ遮断薬を使った治療などの新しい治療戦略の構築が求められる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.30.765