三叉神経脊髄路刺激による三叉神経脊髄路核尾側亜核における興奮伝播の画像解析

〔目的〕三叉神経脊髄路核尾側亜核は顎顔面領域からの侵害刺激の中継核であるが, 解剖学的に複雑なことから同核内における興奮伝播の空間的広がりや時間変化は知られていない. 本研究では三叉神経求心路の電気刺激によって誘発された尾側亜核内の興奮伝播を画像化し, 三叉神経系における痛覚伝達の機序を検討した. 〔方法〕成熟C57BL/6マウスより延髄を摘出し, 厚さ400μmの水平断切片を作製した. 切片は膜電位感受性色素RH-414または細胞内Ca^2+ 指示薬rhod-2にて染色し, 95%O_2 -5%CO_2 を通気したKrebs液で灌流した. 三叉神経脊髄路に刺激電極を置き, 単発刺激とteta...

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Veröffentlicht in:PAIN RESEARCH 2001, Vol.16 (3), p.37-37
Hauptverfasser: 瀬尾憲司, 藤原直士, 染矢源治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕三叉神経脊髄路核尾側亜核は顎顔面領域からの侵害刺激の中継核であるが, 解剖学的に複雑なことから同核内における興奮伝播の空間的広がりや時間変化は知られていない. 本研究では三叉神経求心路の電気刺激によって誘発された尾側亜核内の興奮伝播を画像化し, 三叉神経系における痛覚伝達の機序を検討した. 〔方法〕成熟C57BL/6マウスより延髄を摘出し, 厚さ400μmの水平断切片を作製した. 切片は膜電位感受性色素RH-414または細胞内Ca^2+ 指示薬rhod-2にて染色し, 95%O_2 -5%CO_2 を通気したKrebs液で灌流した. 三叉神経脊髄路に刺激電極を置き, 単発刺激とtetanus刺激(100Hz, 30回)によって誘発される蛍光強度変化を高速度カメラで撮影し, 膜電位画像および細胞内Ca^2+ 画像を得た. また, それらに及ぼす10μM CNQX, 10μM MK-801, 5μM L-703.606の影響を検索した. 〔結果〕脊髄路への単発刺激は辺縁層および膠様質に短時間の膜脱分極と細胞内Ca^2+ 上昇を誘発し, CNQXはこれらを抑制した. tetanus刺激は膠様質細胞に刺激後長時間持続する膜脱分極と細胞内Ca^2+ 上昇を誘発したが, MK-801, L-703.606はいずれもそれらを抑制した. 〔結論〕尾側亜核内では刺激の種類に応じて, 興奮伝播の広がりや時間変化が異なり, 伝達機序の違いが示唆された.
ISSN:0915-8588