13. 筋ジストロフィー児の経時的歩行計測-床反力による関節点周りモーメントの関節水平面表示法

歩行分析において, 従来の関節モーメント計測は, 矢状面に投影された変化しか計算していなかった. そこで床反力ベクトルから, 矢状面以外の要素も含む「床反力による関節点周りモーメント」の計測方法を工夫した. 便宜的にこれを「床反力モーメント」と呼ぶ. 「床反力モーメント」を俯瞰的に上から見た画像にすると, 下肢と体幹の各部位に働く力を, 屈伸だけでなく内反, 外反方向についても観察できる. 今回はこの方法を11歳Duchenne型筋ジストロフィー児に応用して計測を行ったところ以下の知見を得た. 11歳の歩行は, 9歳時の歩行に比較して, 膝関節部では, 膝屈曲が減少し, 荷重を膝関節後方成分が...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2004-12, Vol.41 (12), p.894-895
Hauptverfasser: 大橋正洋, 青木重陽, 岡本隆嗣, 別府政敏, 野村進
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:歩行分析において, 従来の関節モーメント計測は, 矢状面に投影された変化しか計算していなかった. そこで床反力ベクトルから, 矢状面以外の要素も含む「床反力による関節点周りモーメント」の計測方法を工夫した. 便宜的にこれを「床反力モーメント」と呼ぶ. 「床反力モーメント」を俯瞰的に上から見た画像にすると, 下肢と体幹の各部位に働く力を, 屈伸だけでなく内反, 外反方向についても観察できる. 今回はこの方法を11歳Duchenne型筋ジストロフィー児に応用して計測を行ったところ以下の知見を得た. 11歳の歩行は, 9歳時の歩行に比較して, 膝関節部では, 膝屈曲が減少し, 荷重を膝関節後方成分が負担していた. 股関節部では股屈曲拘縮の影響で, 「床反力モーメント」が前に移動していた. 「床反力モーメント」の計測は, 歩行解析を行う場合, 従来の方法で得られなかった情報を追加でき, 情報の内容は臨床に役立つものになると考えている.
ISSN:0034-351X