パワースペクトルによる片脚起立時の重心動揺測定
「目的」易転倒性に関連する下肢の機能評価に応用すべく, 重心動揺計を用いて片脚起立時の重心動揺を測定しパワースペクトルによる解析を行ったので報告する. 「方法」健常成人女性12名(22~65歳, 平均42.3歳)を対象とした. 測定はツイングラビコーダGS-6100(アニマ社)を使用した. 開眼で前方2.5mの標識を注視し右下肢により10秒間の片脚起立の保持を行い, その間の重心動揺を測定した. 結果は単位軌跡長およびパワースペクトルにより評価した. パワーの周波数帯域を国際基準に準じた0.16~0.2Hz(A帯), 0.2~2Hz(B帯)および2~20Hz(C帯)と, B帯を独自に分けた0....
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S368-S368 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」易転倒性に関連する下肢の機能評価に応用すべく, 重心動揺計を用いて片脚起立時の重心動揺を測定しパワースペクトルによる解析を行ったので報告する. 「方法」健常成人女性12名(22~65歳, 平均42.3歳)を対象とした. 測定はツイングラビコーダGS-6100(アニマ社)を使用した. 開眼で前方2.5mの標識を注視し右下肢により10秒間の片脚起立の保持を行い, その間の重心動揺を測定した. 結果は単位軌跡長およびパワースペクトルにより評価した. パワーの周波数帯域を国際基準に準じた0.16~0.2Hz(A帯), 0.2~2Hz(B帯)および2~20Hz(C帯)と, B帯を独自に分けた0.2~0.6Hz(D帯)および0.6~2Hz(E帯)により評価した. 10秒間の両脚起立による評価も行い, 片脚時と両脚時で比較検討した. 「結果」健常成人女性12名の重心動揺測定値の平均値は片脚起立時は単位軌跡長3.99±1.00cm/sec,A帯15.9%, B帯62.1%, C帯33.1%, D帯34.6%およびE帯27.3%であった. 両脚起立時は単位軌跡長0.95±0.28cm/sec,A帯5.5%, B帯69.2%, C帯25.2%, D帯53.3%およびE帯15.9%であった. 単位軌跡長およびC帯, D帯, E帯で片脚時と両脚時との間に有為な差を認めた. 「まとめ」1. 重心動揺計により片脚起立時の重心動揺を計測し, パワースペクトルによる重心動揺の評価を行った. 2. 片脚時は両脚時に比較し有意に周波数0.6~2.0Hzおよび2~20Hzのパワーの増大を認めた. 3. このパワーの増大は, 両脚起立に比較して片脚起立は下肢筋群による姿勢制御が大きく関与していることを反映していると考えた. |
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ISSN: | 0034-351X |