大腿骨転子部不安定型骨折に対するAO small proximal femoral nail(PFN)の治療成績

「目的」近年, 内固定材料・手術手技の進歩により, 大腿骨転子部不安定型骨折に対しても, 早期離床・早期荷重歩行訓練開始がはかられる傾向となってきた. 我々も1999年8月より本骨折に対しAO small proximal femoral nail(以下PFN)を使用し早期リハビリテーションを施行している. 今回, これらの治療成績につき検討した. 「対象と方法」対象は14例14骨折で, 手術時平均年齢は84.8歳(71~94歳)であった. 骨折型はJensen分類にて, III型3例, IV型9例, V型2例であった. 全例に可及的早期より荷重歩行訓練を行った. これらにつき歩行能力評価(A...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S281-S281
Hauptverfasser: 野田知之, 加藤彰浩, 佐藤徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」近年, 内固定材料・手術手技の進歩により, 大腿骨転子部不安定型骨折に対しても, 早期離床・早期荷重歩行訓練開始がはかられる傾向となってきた. 我々も1999年8月より本骨折に対しAO small proximal femoral nail(以下PFN)を使用し早期リハビリテーションを施行している. 今回, これらの治療成績につき検討した. 「対象と方法」対象は14例14骨折で, 手術時平均年齢は84.8歳(71~94歳)であった. 骨折型はJensen分類にて, III型3例, IV型9例, V型2例であった. 全例に可及的早期より荷重歩行訓練を行った. これらにつき歩行能力評価(A:独歩, B:杖歩行, C:シルバーカー歩行, D:つたい歩き, E:車椅子, F:寝たきり)と, X線評価を行った. 経過観察期間は平均4.6ヵ月(3~12ヵ月)であった. 「結果」semi-open reductionを2例に要した. 荷重開始時期は平均2.8日(1~9日)であった. 歩行能力はA:受傷前8例→術後3例, B:1例→3例, C:1例→3例, D:3例→3例, E:0例→0例, F:0例→1例であった. 痴呆を認める症例で歩行能力低下傾向を認めた. 骨癒合は全例に得られ, 平均術後頸体角は126.7度(健側125.0度), lag screwの平均sliding量は2.2mm, 遠位骨片の平均外側転位量は3.9mmであった. cutting out,implant破損, 二次的骨折等の合併症は認めなかった. 「結語」AO small PFNによる骨接合術は, 不安定型骨折に対し早期リハビリテーションを可能とする有用な方法と考えられた. 手術手技では整復位獲得が最重要で, 必要に応じsemi-open reductionの併用も行うべきである.
ISSN:0034-351X