ALS患者の嚥下機能・気管切開前後の経口摂取の検討を中心に

「目的」ALSは進行に伴い呼吸障害・嚥下障害が必発であるが, 必ずしも同時に問題となるわけではない. しかし, 経管栄養という比較的容易な代換え手段がある摂食障害に比べ, 気管切開・人工呼吸器使用となると, 医療処置・介護が格段に増加し呼吸管理優先で療養計画が進まざるを得ない. 近年当院では気管切開と同時に誤嚥防止手術が行われることが増加し, 術後の経口摂取を援助する機会が増えており, 気管切開前後の嚥下訓練に注目していく必要があると考え, 現状を報告し考察を加えたい. 「対象」現在当院で在宅診療を行っているALS患者24名(男性14名, 女性10名, 平均年齢63.3歳). 「方法」診療録及...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S206-S206
Hauptverfasser: 出倉庸子, 新美まや, 前野崇, 江藤文夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」ALSは進行に伴い呼吸障害・嚥下障害が必発であるが, 必ずしも同時に問題となるわけではない. しかし, 経管栄養という比較的容易な代換え手段がある摂食障害に比べ, 気管切開・人工呼吸器使用となると, 医療処置・介護が格段に増加し呼吸管理優先で療養計画が進まざるを得ない. 近年当院では気管切開と同時に誤嚥防止手術が行われることが増加し, 術後の経口摂取を援助する機会が増えており, 気管切開前後の嚥下訓練に注目していく必要があると考え, 現状を報告し考察を加えたい. 「対象」現在当院で在宅診療を行っているALS患者24名(男性14名, 女性10名, 平均年齢63.3歳). 「方法」診療録及び聞取りにて, 人工呼吸器の種類・気管切開の種類(誤嚥防止手術の有無)・吸引回数・唾液処理方法・栄養摂取方法の経過を検討した. 「結果・考察」21例が気管切開(うち喉頭気管分離術4例・喉頭全摘術3例)で人工呼吸器使用・3例はNIPPV(Bipap), 栄養摂取方法は胃ろう12例, MGチューブ8例, 経口3例, おやつまたは味見4例であった. 経口食の3例中2例は気管切開を行っておらず, 1例は喉頭摘出術後であった. おやつまたは味見の4例は全例誤嚥防止手術後であった. 誤嚥防止手術後の7例については, 2例が一定期間全食経口可能であり, 元々胃ろうであっても3例中2例がおやつ摂取できている. しかし, 6例に手術とほぼ同時期に人工呼吸器が装着され術後の嚥下訓練開始が遅くなり, その間の廃用の影響が考えられ今後の対応に改善が必要である.
ISSN:0034-351X