脳卒中早期自立度予測(二木)の有用性についての検討
「目的」脳卒中患者の最終自立度を発症早期に予測することは, リハビリテーション(以下リハ)を効率的・効果的に行う上で重要である. 現在利用されている予測法として, 二木による”早期自立度予測基準”が知られているが, その有用性について検討した論文は少ない. この二木の基準によりどの程度脳卒中患者の自立度予測が可能かを脳梗塞症例について検討し, さらに予測不能症例について考察を加えた. 「方法」発症1ヶ月以内に当院にてリハ訓練を開始し, 平成12年8月までの3年間に退院した脳梗塞患者121名について, 診療録より後方視的に, 初診時/2週後/1ヶ月後の二木による”自立度”および”基礎的ADL”,...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S139-S139 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」脳卒中患者の最終自立度を発症早期に予測することは, リハビリテーション(以下リハ)を効率的・効果的に行う上で重要である. 現在利用されている予測法として, 二木による”早期自立度予測基準”が知られているが, その有用性について検討した論文は少ない. この二木の基準によりどの程度脳卒中患者の自立度予測が可能かを脳梗塞症例について検討し, さらに予測不能症例について考察を加えた. 「方法」発症1ヶ月以内に当院にてリハ訓練を開始し, 平成12年8月までの3年間に退院した脳梗塞患者121名について, 診療録より後方視的に, 初診時/2週後/1ヶ月後の二木による”自立度”および”基礎的ADL”, 意識, 合併症を調査し, 二木の基準により最終自立度が予測可能であったか否かを最終自立度と比較して検討した. さらに予測が基準通りにいかなかった症例については, 症例毎にその要因について検討した. 「結果」対象121名中初診時ベッド上自立以下だった症例は63例で, このうち二木の基準により最終自立度予測が可能だった症例は, 初診時45例(71%), 2週後52例(83%), 1ヶ月後56例(89%)であった. 予測と最終自立度が一致しなかった6例は, 1ヶ月後の時点でベッド上自立しているにもかかわらず最終歩行自立が困難だった. 「結論」二木の基準は, 急性期脳梗塞患者の最終自立度予測に有用だったが, さらに訓練開始後1ヶ月の時点でベッド上自立している患者に対しての基準を設けることで, 予後予測の精度が上がる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0034-351X |