大腿骨頸部骨折のクリニカルパス

「目的」当院でも大腿骨頸部骨折患者に対しクリニカルパス(以下CP)を導入しており, 今回その有効性について評価するとともに, CPに対する患者の満足度についてもアンケート調査を行った. 「方法」対象は2000年1月より2001年1月までに大腿骨頸部骨折にて人工骨頭置換術を施行した44例(CP非実施23例, CP実施21例)である. 評価項目は, 在院日数, 手術から座位, 車椅子移乗, 歩行器訓練開始までの各日数であり, CP導入前後で比較検討した. さらに退院時, 患者とその家族にCPの満足度を4段階法にて評価して頂いた. 「結果」在院日数(CP導入前69.4日→導入後55.0日), 手術か...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 2001, Vol.38 (suppl), p.S106-S106
Hauptverfasser: 亀田浩司, 上好昭孝, 吉田宗人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」当院でも大腿骨頸部骨折患者に対しクリニカルパス(以下CP)を導入しており, 今回その有効性について評価するとともに, CPに対する患者の満足度についてもアンケート調査を行った. 「方法」対象は2000年1月より2001年1月までに大腿骨頸部骨折にて人工骨頭置換術を施行した44例(CP非実施23例, CP実施21例)である. 評価項目は, 在院日数, 手術から座位, 車椅子移乗, 歩行器訓練開始までの各日数であり, CP導入前後で比較検討した. さらに退院時, 患者とその家族にCPの満足度を4段階法にて評価して頂いた. 「結果」在院日数(CP導入前69.4日→導入後55.0日), 手術から座位(6.8日→1.9日), 車椅子移乗(12.8日→7.7日), 歩行器訓練開始(29.9日→18.8日)日数は有意に短縮された. アンケート調査では21例中17例(81%)が全体としては「非常に満足」と解答した一方, 具体的には「痛みがあるのに無理に座らされた」「計画表を見せられ予定通りにできるかかえって不安になった」等, 否定的意見も6例から得られた. 「結論」CPは医療の効率化に非常に有効であることは今回の結果からも明らかであるが, アンケート調査より一部の患者に, CPに対する誤解や不安が存在することも浮き彫りになった. CP実施にあたっては患者に対しより良心的でわかりやすいインフォームドコンセントの重要性を強調したい.
ISSN:0034-351X