短期間に6回の再出血をきたした高齢脳内出血の1例

アミロイドアンギオパチーが疑われる高齢脳内出血の場合, 再発率は高く年間約10%と言われている. 今回我々は短期間に6回の再出血をきたした高齢脳内出血を経験したので報告する. 「症例」84歳, 男性. 「既往歴」6年前に脳出血. 「病歴」2000年12月29日朝, 起き上がれず某病院脳外科に入院. CTで右頭頂葉に脳葉型出血を認めた. 保存的に加療され, 2001年2月16日, リハビリテーション目的に転院となった. 入院時, 左片麻痺, ADL全介助だった. 「経過」在宅介護生活を目標に訓練を開始したが, 2月23日（左前頭葉）, 3月5日（右頭頂葉）, 3月9日（左頭頂葉）, 3月11日（右前頭葉）, 4月9日（左前頭葉）と再出血を繰り返した. 再発と血圧, 訓練に明らかな関係はなかった. 両片麻痺, 全失語となったが, リハ訓練を療養型病院転院まで続けた. 「結語」高齢脳内出血では十分な再発リスク説明の上, リハ訓練を進めることが必要である.