中枢神経疾患患者におけるリハビリテーション問題点の検討

「目的」中枢神経疾患患者に対する急性期からのリハビリテーションを行っていく場合, これらの患者は経過中に何らかの問題点を生じてくる. それらに対して迅速に把握, 対処しなければ種々のトラブルや長期入院の原因にもなりかねない. 今回我々は, より的確にリハ治療中の問題点が把握できるようチェック表を作成し, その問題点を検討した. 「対象および方法」対象症例は平成11年1~12月に当科に入院した328例で, 中枢神経疾患患者に対し毎週行うリハ回診やミーティング時にチェックした問題点チェック表から, 当院リハプログラムのI~V期の各相での発生状態を検討した. 「結果」I期(生命維持期)での問題点は意...

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Hauptverfasser: 佐藤智彦, 田島篤, 郭忠之, 中野俊久, 吉田政史, 工藤洋三, 其田正太郎, 中原彰子, 村山明恵
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」中枢神経疾患患者に対する急性期からのリハビリテーションを行っていく場合, これらの患者は経過中に何らかの問題点を生じてくる. それらに対して迅速に把握, 対処しなければ種々のトラブルや長期入院の原因にもなりかねない. 今回我々は, より的確にリハ治療中の問題点が把握できるようチェック表を作成し, その問題点を検討した. 「対象および方法」対象症例は平成11年1~12月に当科に入院した328例で, 中枢神経疾患患者に対し毎週行うリハ回診やミーティング時にチェックした問題点チェック表から, 当院リハプログラムのI~V期の各相での発生状態を検討した. 「結果」I期(生命維持期)での問題点は意識障害, 血圧変動, 麻痺, 発熱などが多く認められたが, 前頭葉機能障害や不穏, 感情失禁など精神面の問題もすでに芽生えはじめていた. II期(リハ訓練初期)では臥床状態から車椅子やベッドにてリハ室に来る時期の新たなバランスの低下や起立性低血圧があげられ, また意識障害の改善に伴い, 元々持っていた整形疾患や麻痺性の痛みも多く認められた. III期(リハ訓練中期)では障害の受容や意欲低下に伴い, うつ・感情失禁・不穏等の精神面の項目. IV期(リハ訓練後期)はマンパワーの不足, うつ・易疲労性. V期(リハ訓練維持期)は痛みや視野・視覚障害など身体面の項目が認められた. 「結論」中枢神経を損傷した患者の早期からのリハは各病期の問題点をより的確に把握し, スタッフ間の情報を密にし, 早期から適切な治療を行う事が大切である.
ISSN:0034-351X