椎体骨折におけるクリニカルパス導入の試み
椎体骨折治療にクリニカルパス導入を試みた. 「対象」椎体骨折で受傷後2週間以内に入院治療した36例(男性3例, 女性33例), 平均年齢76歳(60~89歳)を対象とし, CP実施前1年間の43例(男性10例, 女性33例), 平均年齢76歳(56~94歳)を対照群とした. 「方法」患者用, スタッフ用のCPの表を作成し, 目標入院日数を35日, 後壁破壊のある破裂型骨折は目標入院日数を49日とした. CP導入による在院日数変化, 退院時歩行状態, 退院先を調査した. 「結果」平均在院日数はCP群圧迫骨折で31日(15~54日), 破裂骨折で44日(40~47日). 非CP群で圧迫骨折44日(...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 椎体骨折治療にクリニカルパス導入を試みた. 「対象」椎体骨折で受傷後2週間以内に入院治療した36例(男性3例, 女性33例), 平均年齢76歳(60~89歳)を対象とし, CP実施前1年間の43例(男性10例, 女性33例), 平均年齢76歳(56~94歳)を対照群とした. 「方法」患者用, スタッフ用のCPの表を作成し, 目標入院日数を35日, 後壁破壊のある破裂型骨折は目標入院日数を49日とした. CP導入による在院日数変化, 退院時歩行状態, 退院先を調査した. 「結果」平均在院日数はCP群圧迫骨折で31日(15~54日), 破裂骨折で44日(40~47日). 非CP群で圧迫骨折44日(11~115日), 破裂骨折48日(33~77日). 退院時歩行状態はCP群で独歩75%, 老人車13%, 車椅子3%, 全介助6%. 非CP群で独歩74%, 老人車23%, 全介助3%. 退院先はCP群で自宅81%, 転院16%. 非CP群で自宅82%, 転院18%. 「考察」高齢者の椎体骨折の中には破裂型骨折が含まれており, クリニカルパス導入のためにはCTやMRIで骨折を区別することが前提条件となる. 圧迫骨折におけるクリニカルパス導入は, 退院時患者の歩行能力を導入以前と比較しても低下させることなく, 在院日数を有意に短期化させ, 在院日数の格差も減少させることができ, よい適応であった. しかし, 破裂型骨折は椎体後壁の骨折の程度に大きく左右されるためクリニカルパスを導入するのは難しいという印象であったが, 今回は症例数が少なく結論づけることはできなかった. |
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ISSN: | 0034-351X |