中枢性疼痛に対するフルボキサミンの効果の検討
「目的」中枢性唇痛の治療には, 主に抗てんかん薬や抗うつ薬などによる治療が行われてきた. 最近, 新しい抗うつ薬として, 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor:SSRI)であるフルボキサミンが市販され, 抗コリン作用や心循環系への影響が少ないといわれている. セロトニンと疼痛には密接な関係があることが知られており, 今回, フルボキサミンの中枢性疼痛に対する効果について検討した. 「対象」対象は中枢性疼痛を有する脳卒中患者23名(男性12名, 女性11名, 平均年齢61.3歳)で, 発症からの経過期間は2~118カ月(1...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 2000, Vol.37 (11), p.850-850 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」中枢性唇痛の治療には, 主に抗てんかん薬や抗うつ薬などによる治療が行われてきた. 最近, 新しい抗うつ薬として, 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor:SSRI)であるフルボキサミンが市販され, 抗コリン作用や心循環系への影響が少ないといわれている. セロトニンと疼痛には密接な関係があることが知られており, 今回, フルボキサミンの中枢性疼痛に対する効果について検討した. 「対象」対象は中枢性疼痛を有する脳卒中患者23名(男性12名, 女性11名, 平均年齢61.3歳)で, 発症からの経過期間は2~118カ月(1年未満15名, 1年以上8名)である. 「方法」フルボキサミンの投与量は25~50mg/dayで開始し, 適宜増減した. 疼痛の評価としては, Visual Analog Scale(VAS)を用い, 投与前と投与後2週から4週目の変化を比較した. また, うつ状態の指標として, Self-rating Depression Scale(SDS)を投与前後で比較した. 「結果」フルボキサミン投与前後におけるVASの変化については, 平均で投与前の7.4から投与後は5.8へと有意に低下した. 発症後期間で比較すると, 発症後1年未満群ではVASが低下したのが15名中14名(うち7名がVAS低下率70%未満)だったが, 1年以上群ではVAS低下者は8名中3名のみだった. SDSの変化については, 施行した16名のうち10名が低下し, 抑うつ状態者5名中4名が抑うつ状態から改善した. VASとSDSの変化の間には有意な相関関係は認められなかった. 「結論」フルボキサミンは, 発症後早期の中枢性疼痛に対する治療として試みる価値があると思われる. |
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ISSN: | 0034-351X |