高齢者の大腿骨頸部骨折のリハビリテーション
【目的】当院で過去10年間に手術を行った65歳以上の大腿骨頸部骨折患者について予後調査を行い, 受傷前・退院時・調査時の所在の変化および全体的自立度の変化に対して検討を加えた. 【対象と方法】対象は208名214例である. 性別は男37名, 女171名で, 受傷時年齢は65~96歳, 平均80.4歳であった. 予後調査は電話によるアンケートにて行った. 【結果および考察】1)受傷機転は転倒が84.6%と大部分を占めた. 2)退院先は受傷前の所在に大きく左右された. 3)所在の変化では自宅生活群の減少と病院・施設生活群の増加がみられたが, これは患者自身の合併症や加齢現象, 家族の介護力や介護意...
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Zusammenfassung: | 【目的】当院で過去10年間に手術を行った65歳以上の大腿骨頸部骨折患者について予後調査を行い, 受傷前・退院時・調査時の所在の変化および全体的自立度の変化に対して検討を加えた. 【対象と方法】対象は208名214例である. 性別は男37名, 女171名で, 受傷時年齢は65~96歳, 平均80.4歳であった. 予後調査は電話によるアンケートにて行った. 【結果および考察】1)受傷機転は転倒が84.6%と大部分を占めた. 2)退院先は受傷前の所在に大きく左右された. 3)所在の変化では自宅生活群の減少と病院・施設生活群の増加がみられたが, これは患者自身の合併症や加齢現象, 家族の介護力や介護意識の問題によるところが大きい. 4)全体的自立度の変化では低下群が全症例の約1/3を占め, その原因として痴呆11.7%, 片麻痺6.3%, RA 6.3%, パーキンソン病4.5%などが考えられた. 5)所在―全体的自立度の変化では向上群が全症例の約1/10を占め, 病院屋内生活群, 自宅屋内生活群, 病院ベッド上生活群, 自宅ベッド上生活群の順に認められた. これは特に病院・自宅生活群で能力を持ちながらも廃用性症候群などにより, 低い自立度にとどまっている屋内生活群ないしはベッド上生活群に注目して, その病棟生活自立に対して積極的に関わり, 潜在能力を引き出してきた結果によるものと思われた. 質問 大阪市立弘済院付属病院小池達也:全体自立度の低下の原因は, お示しになられたもの以外にどのようなものがありますか. 質問 勤医協札幌丘珠病院岡本五十雄:(1)手術差による術後成績について(自立度の差について). (2)体重負荷はいつ頃からしていますか. 答 岩永博隆:手術の内訳は内側骨折では大部分, 人工骨頭置換術を行い, 外側骨折では以前はエンダー法を, 最近はCHSを行って一定した良好な結果を得ている. 術後の立位開始時期は術後2週間が一般的である. |
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ISSN: | 0034-351X |