片麻痺患者における安静立位時の足位
片麻痺患者の立位計測をより自然な肢位で行うために, 安静立位時における足位, および麻痺側と足位との関係を調べた. 足位は対象者を自由に立たせた時の足型を紙に写し計測した. 計測項目は, 左右足内側の最短間隔(W_1 ), 左右足踵の前後最短間隔(W_2 ), 健側開き角(A_s ), 患側開き角(A_A )である. また, 被験者の年齢, ブルンストロームステージに関しても調べた. その結果, 各項目の値はW_1 (64.6±41.2 mm), W_2 (-16.1±31.0 mm:-は健側が後ろの意味), A_s (8.1±9.3度), A_A (12.0±12.9度)であった. これらの...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 片麻痺患者の立位計測をより自然な肢位で行うために, 安静立位時における足位, および麻痺側と足位との関係を調べた. 足位は対象者を自由に立たせた時の足型を紙に写し計測した. 計測項目は, 左右足内側の最短間隔(W_1 ), 左右足踵の前後最短間隔(W_2 ), 健側開き角(A_s ), 患側開き角(A_A )である. また, 被験者の年齢, ブルンストロームステージに関しても調べた. その結果, 各項目の値はW_1 (64.6±41.2 mm), W_2 (-16.1±31.0 mm:-は健側が後ろの意味), A_s (8.1±9.3度), A_A (12.0±12.9度)であった. これらのデータについて解析した結果, (1)前後位置では患側がやや健側の前方にある, (2)患側の角度は健側よりもやや大きいが有意差はない, (3)項目間での相関はW_2 とA_A の間でのみ有意である, などが分かった. また, 健常者との比較においては計測した4つの項目すべてに関して差が認められた. 左右麻痺ではW_2 に相違があった. 種々の立位計測において, 足の位置は結果に大きく影響する. 健常者に関してはこれまでの結果から, 足幅は5 cmくらいが最も自然であると考えている. 今回の結果からは, 片麻痺患者での足幅は10~15 cmくらいが適当ではないかと思われる. 自然な立位条件をみつけるには, これらの値に加え被験者の主観的な判断も調べる必要がある. 今後, 官能検査やSD法などにより明確にしていきたい. 質問 東大江藤文夫(座長):(1)麻痺側による差がみられることについて, さらにその機序に関するお考えがございましたらご教示下さい. (2)利き足, あるいは軸足との関連についても検討されていたらお教え下さい. 答 田中繁:脳の障害部位との関連はまだ調べていない. しかし, 左右麻痺と健常者との単純な比較では右麻痺の方が健常値に近く, より“良い”という結果が得られた. |
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ISSN: | 0034-351X |