13. 脳血管写, CT, IMP-SPECTの観点からみた脳血栓患者の運動機能障害の重症度や回復度について
脳血管写, CTスキャン像ならびにIMP-SPECT像からみた脳血栓患者の運動機能障害の重症度と回復度(Br.stageとADL)について検討した. 【対象ならびに方法】対象はCAG, CTスキャン, IMP-SPECTの3検査を施行した脳血栓27例である. 中大脳動脈(MCA)の狭窄の患者は5例であり, 内頸動脈(ICA), 前大脳動脈, MCAの複数の動脈の狭窄を示した患者は9例であった. ICAの閉塞は5例であり, そのうち4例に側副血行路がみられた. MCAの閉塞は8例であり, うち6例に側副血行がみられた. SPECTによる脳血流画像はN-isopropyl-p[123I]iodoa...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1989, Vol.26 (4), p.223-224 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 脳血管写, CTスキャン像ならびにIMP-SPECT像からみた脳血栓患者の運動機能障害の重症度と回復度(Br.stageとADL)について検討した. 【対象ならびに方法】対象はCAG, CTスキャン, IMP-SPECTの3検査を施行した脳血栓27例である. 中大脳動脈(MCA)の狭窄の患者は5例であり, 内頸動脈(ICA), 前大脳動脈, MCAの複数の動脈の狭窄を示した患者は9例であった. ICAの閉塞は5例であり, そのうち4例に側副血行路がみられた. MCAの閉塞は8例であり, うち6例に側副血行がみられた. SPECTによる脳血流画像はN-isopropyl-p[123I]iodoamphetamine(IMP)3~6mCiを静注してデジタルガンマカメラGCA-601Eを用いて撮影された. 【結果】1)ICAに限局した狭窄群では麻痺肢の回復は良好であった. 2)脳動脈狭窄部分が複数になり, CTやIMP-SPECT像による病巣が大になるにつれて麻痺肢の機能の回復は低下する傾向にあった. 3)MCA閉塞の患者では, 側副血行がありCTやIMP-SPECT像による病巣が小さい場合, 麻痺肢の回復が良好であった. しかし, 側副血行路があってもCTやIMP-SPECT像による病巣が大きくなると麻痺肢の機能回復は不良であった. 【結語】脳血栓患者の運動機能障害の重症度や回復度を推定するには, CAG, CT, IMP-SPECT像の組み合せにより行うとより正確となる. 質問 神奈川リハ病院 水落和也:(1)SPECTの定量的評価は何か試みておられますか. (2)SPECTのdelayed image(redistribution)が機能予後に関係するように思いますが, 先生のお考えはいかがですか. 質問 浜松労災病院 岩城和男:(3)皮質枝の梗塞の場合は御発表のとおりと思われるが, lauman strokeの場合はアンギオ, CT, SPECTでも出ないのではないか. (4)delayed imageでのredistributionが80%以上の場合は機能予後が良いとの報告があるが, その点についてはどうか. 答 目時弘文:(1)IMP-SPECTによる脳血流量数量化もしているが, 今回は, IMP-SPECTの画像から得られた病巣部位で検討した. (2)early imageだけでなくdelayed imageも撮影している. 再循環のある場合は脳卒中の後遺症の回復が良いように思われるが, 再循環の数量化はなかなか困難なことである. (3)麻痺側上下肢の運動機能の回復が不良の患者の場合でもADLの回復が良好な場合がある. これは, 発症時の健側脳のγ-CBFも低下しているが, 経過中に健側脳のγ-CBFが回復してくることもその一因と考えられる. (4)線条体領域の梗塞の場合は, CAG, CTスキャンならびにIMP-SPECTにより正確に病巣が表現されない場合が多い. この場合は脳卒中後遺症の回復が良好なことが多かった. 再循環と脳卒中後遺症の回復との関係については更に検討中です. |
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ISSN: | 0034-351X |