19. 上肢3点上下随意運動遂行過程での運動パターンの左右差

一定の上肢随意運動の遂行過程を運動パターンに分けて動作学的時間分布を行い, 左右差-利き手の巧緻性を運動パターンの時間的差異として解析した. 先ず正常の青年と老年群に分けて検索し, 次いでSCD群とパーキンソン病群(P病)と比較検討した. 方法は, 水平位の出発点より15°上方の上方点に接し肩幅だけ内転位にある上方点に接して"できるだけ速く"人示指を接してもとの水平点に戻る3点上下随意運動を命じた. 合図は0.2Hzの規則刺激と5秒以上の不規則の電気刺激を検側反対上肢に与えた. 【結果】1)全所要時間:老年期が青年群より延長は明らかであったが, 左右差は各群とも左側にわずか...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1987-11, Vol.24 (6), p.378-378
Hauptverfasser: 室賀辰夫, 櫻井信夫, 祖父江逸郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:一定の上肢随意運動の遂行過程を運動パターンに分けて動作学的時間分布を行い, 左右差-利き手の巧緻性を運動パターンの時間的差異として解析した. 先ず正常の青年と老年群に分けて検索し, 次いでSCD群とパーキンソン病群(P病)と比較検討した. 方法は, 水平位の出発点より15°上方の上方点に接し肩幅だけ内転位にある上方点に接して"できるだけ速く"人示指を接してもとの水平点に戻る3点上下随意運動を命じた. 合図は0.2Hzの規則刺激と5秒以上の不規則の電気刺激を検側反対上肢に与えた. 【結果】1)全所要時間:老年期が青年群より延長は明らかであったが, 左右差は各群とも左側にわずかな延長が認められるのみであった. 全所要時間に対する反応時間(RT)の占める割合は青年, 老年, SCD群の順に小さくなっていた. 2)左右差:RTは利き手(右側)で左側より延長の傾向が3群で認められた. しかるRTに続く上方点への移動時間は逆に左側がより延長していた. 3)上方点接触時間:P病群を加えた4群では, 全所要時間に対するこの接触時間の割合はP病群で最も小さかった. 3点間の空間移動時間の占める割合では逆にP病群>SCD群>老年群の順に大きかった. 【考察と結論】運動パターンの連続性からみると運動開始の速さ(RT)と目標点への正確さは負の相関にあり, 個々の目標点の切り換えの速さは運動の連続性の円滑さを意味するが, P病群ではその割合が小さいことから自己ペース型が保持されている.
ISSN:0034-351X