23.光学的歩行分析によるパターン化の試み(第2報)

目的:最近の歩行分析は, ME機器の発達により非常に進歩している. しかし, 歩行の評価は機器程進歩していない. とくに光学的な方法に関しては, 計測法を含め遅れている. 長崎大学でもスティックピリチャーカメラを各種機器と同期し, 歩行分析を行っているが同様である. 今回はその評価のためにパターン化を試みた. 方法:角変位の計測にはデジタイザーを使用し, 実際の計算, 描図にはコンピュータは(PC9800)を使用した. 成人の自由歩行に際し, 1秒間に何コマ, また何周期必要かという問題については, 第8回, 9回国際バイオメカニクス学会で発表した. その結果を用い, 正常, 変股症, 変形性...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1984-01, Vol.21 (6), p.416-417
Hauptverfasser: 乗松敏晴, 藤田雅章, 松坂誠應, 茅野丈二, 古田千事, 鈴木良平, 浜村明徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:最近の歩行分析は, ME機器の発達により非常に進歩している. しかし, 歩行の評価は機器程進歩していない. とくに光学的な方法に関しては, 計測法を含め遅れている. 長崎大学でもスティックピリチャーカメラを各種機器と同期し, 歩行分析を行っているが同様である. 今回はその評価のためにパターン化を試みた. 方法:角変位の計測にはデジタイザーを使用し, 実際の計算, 描図にはコンピュータは(PC9800)を使用した. 成人の自由歩行に際し, 1秒間に何コマ, また何周期必要かという問題については, 第8回, 9回国際バイオメカニクス学会で発表した. その結果を用い, 正常, 変股症, 変形性を1秒間24コマ, 5歩行周期で記録した. パターン化はこれらより平均パターンを求め, さらにNormalizationを試みた. 結果:Normalizationは, 角変位の状態をパターンとして表現可能な事が特徴である. 従来の角変化の平均パターンもあわせて描図してあり比較も容易である. たとえば, Shoulder girdleの場合その角変位は小さい. しかし, 今回の方法により正常はConvexタイプ, 変股症は2相性, 変形性足関節症はConcaveタイプと同じ部位の角変位でも異なったパターンを示した. 他の部位の角変位でも同様に, 特徴を表現した. しかし, バラツキが大きい場合のパターンの評価法が, 今後の問題であり課題である. 質問 南大阪療育園 菅本一臣:(1)正常歩行のパターン評価に対しては, 5歩行周期の加算で十分であろうと思われるが, 果たして異常不規則な歩行パターンを示す症例に対して5歩行周期程度の加算は十分であるのか. (2)(十分であろうとの返答を受けて)ならば, 症例中に示された非正常人の歩行パターンは正常人の歩行パターンに比べ, 高周波波形であるが, それはそれで再現性があるのかそれとも不安定性からくる再現性のない波形なのか. 答 乗松敏晴:病的なものでも歩行速度はむしろ遅く, 正常と同じコマ数, 歩行周期で十分と考えています. バラツキの問題については, 現在検討中であります. 実際の平均パターンではそれ程バラツキは少なく, この方法の問題点と思います. 質問 京大 飯田寛和:変股症の場合, 重度から軽度までをパターン化してしまうと, 膝のパターンは変化するが, 股関節のパターンはほとんど差がなくなってしまうのではないか. 答 乗松敏晴:股関節に関しては飯田先生が御指摘の通り, Concaveタイプで著明な変化は認めませんでした. 松永先生の質問に対して;バラツキの問題に関しては, 今後とも検討を加え, また症例を増やしたいと思います.
ISSN:0034-351X