13.重度障害者多数雇用事業所研究(その1)-障害者の実態

重度障害者雇用事業所協議会の活動として雇用障害者の実態調査を行った. 99事業所の2470人(男性1529名, 女性941名)の障害者の分析を行った. 精神薄弱1086名, 肢体不自由881名, 聴力言語障害371名, 重複障害112名, 内部障害46名であった. 平均年齢は31.9歳である. 身体障害者の重度は61%で, 聴力言語障害が高い. 精神薄弱の療育手帳保持率は, 45%である. 業種別には, 精神薄弱は, リネン, 金属, 繊維業に多く, 肢体不自由では, 多種業種や電気関係に多い. 事業所規模は21~100名に80%が集中する. 生活歴では, 未婚が多く(とくに精神薄弱), 家族...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1984-01, Vol.21 (6), p.374-375
Hauptverfasser: 石神重信, 相田奈津子, 沢本裕明, 若林佳史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:重度障害者雇用事業所協議会の活動として雇用障害者の実態調査を行った. 99事業所の2470人(男性1529名, 女性941名)の障害者の分析を行った. 精神薄弱1086名, 肢体不自由881名, 聴力言語障害371名, 重複障害112名, 内部障害46名であった. 平均年齢は31.9歳である. 身体障害者の重度は61%で, 聴力言語障害が高い. 精神薄弱の療育手帳保持率は, 45%である. 業種別には, 精神薄弱は, リネン, 金属, 繊維業に多く, 肢体不自由では, 多種業種や電気関係に多い. 事業所規模は21~100名に80%が集中する. 生活歴では, 未婚が多く(とくに精神薄弱), 家族同居と負担がかかる. 通勤は30分以内に70%が住んで, 職住接近型をとる. 手段は, 障害者自身による徒歩, マイカー通勤が多い. 教育程度は低く, 肢体不自由でも, 義務教育が54%であり, 高校卒業が22%しかない. 勤務年数は, 他調査で4~6年と推定されるが, 本調査では5年以上が30%となり, かなりの定着率があり, それ以前の浮動障害者が問題となる. 仕事内容は, 肢体不自由でも55%が単純, 補助作業を行っている. 精神薄弱の仕事は, 低次元にとどまり, 今後の職業リハの方向性やアプローチが問題となる. 追加 中伊豆リハセンター 三島博信:障害者雇用にとって重要な問題点を指摘されましたが, 私は, このうち精薄者の場合について考えてみますと, 彼らの能力を引き出すには指導者が必要で, 今後は有能な指導員の養成が精薄者のためには必要だと考えています. 答 石神重信:御指摘の通り, 精神薄弱者に必要なのは, 指導員による密接な教育指導が大きな要素となっていると思います. 今までの重度障害雇用事業所へは, 機器や施設等のハード面に援助されてきた傾向があり, 今後の行政指導の方向が, よりソフトの援助が必要とされましょう.
ISSN:0034-351X