10.脳卒中のリハビリテーションに関する研究-両側内頸動脈閉塞症8例における病態と機能回復について
この17年間に入院した脳梗塞1943例中両側内頸動脈閉塞の患者8例を経験した. これらの病態と後遺症の程度及び機能回復について検討した. 対象:(1)両側内頸動脈閉塞8例中脳血栓は7例, 他の1例は脳塞栓であった. (2)全例が男性であり, 平均年齢は脳血栓で55.3±5.4歳, 脳塞栓は65歳であった. 成績:(1)脳血栓では, いずれの症例も側副血行路の発達は著しかった. a)脳底動脈(BA)→後大脳動脈(PCA)→後交通枝→内頸動脈(ICA)→前大脳動脈(ACA), 中大脳動脈(MCA)(1例), b)外頸動脈→眼動脈→ICA→ACA, MCA(5例), C)PCA→髄膜血管→ACA分枝...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1984-09, Vol.21 (5), p.284-285 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | この17年間に入院した脳梗塞1943例中両側内頸動脈閉塞の患者8例を経験した. これらの病態と後遺症の程度及び機能回復について検討した. 対象:(1)両側内頸動脈閉塞8例中脳血栓は7例, 他の1例は脳塞栓であった. (2)全例が男性であり, 平均年齢は脳血栓で55.3±5.4歳, 脳塞栓は65歳であった. 成績:(1)脳血栓では, いずれの症例も側副血行路の発達は著しかった. a)脳底動脈(BA)→後大脳動脈(PCA)→後交通枝→内頸動脈(ICA)→前大脳動脈(ACA), 中大脳動脈(MCA)(1例), b)外頸動脈→眼動脈→ICA→ACA, MCA(5例), C)PCA→髄膜血管→ACA分枝ならびにMCA分枝(4例). 脳塞栓では側副血行路は見られなかった. (2)CTスキャンでは, 脳血栓では1例を除いて小梗塞であったが, 脳塞栓では左右脳に大梗塞が認められた. (3)既往歴では脳血栓で高血圧4例, 糖尿病1例, 脳塞栓では高血圧, 糖尿病, 心疾患がみられた. 家族歴では6例に脳卒中の発生がみられた. (4)耐糖能低下は7例にみられた. (5)Brunnstrom回復Stageでは, 脳血栓で2例がStageIIであり, 2例がIII, 1例がIV, 2例がVIであった. 脳塞栓ではStageIIであった. (6)ADLについてみると, 脳血栓では1例が寝たきりであったが, 他は車椅子以上にまで回復した. しかし脳塞栓の症例は死亡した. 結語:脳塞栓以外の両側内頸動脈閉塞症では側副血行路はよく発達しており, リハビリ訓練の効果は側副血行路の発達に併行する. |
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ISSN: | 0034-351X |