7. 老人の体力―所沢市老福センターでの老人の体力測定

高齢者のリハビリテーションを施行するうえで, 正常な高齢者の体力を把握することは非常に重要であると考えられる. 本研究では, 高齢者の体力を測定するとともに, 生活環境や健康状態についてもアンケート調査し, 体力との関係について検討した. 対象者は平均68.9歳, 142名(男性: 平均70.0歳, 68名, 女性: 平均67.8歳, 74名)である. 対象者の疾病率は75%, 高血圧と心臓病で約60%を占めている. 体力の測定項目は, 握力, 背筋力, タッピング, 落下棒反応, 立位体前屈, 伏臥上体そらし, 垂直とび, 片足立ち, 重心動揺面積である. アンケート調査により, 健康調査や...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1983-09, Vol.20 (5), p.294-294
Hauptverfasser: 山崎省一, 石神重信, 平石奈津子, 大竹 朗, 堀川一夫, 上丸福博, 若林佳史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:高齢者のリハビリテーションを施行するうえで, 正常な高齢者の体力を把握することは非常に重要であると考えられる. 本研究では, 高齢者の体力を測定するとともに, 生活環境や健康状態についてもアンケート調査し, 体力との関係について検討した. 対象者は平均68.9歳, 142名(男性: 平均70.0歳, 68名, 女性: 平均67.8歳, 74名)である. 対象者の疾病率は75%, 高血圧と心臓病で約60%を占めている. 体力の測定項目は, 握力, 背筋力, タッピング, 落下棒反応, 立位体前屈, 伏臥上体そらし, 垂直とび, 片足立ち, 重心動揺面積である. アンケート調査により, 健康調査や体力.健康に関する意識等についても調査した. 握力, 背筋力, 垂直とびでは男性の方が, 立位体前屈では女性の方が高い値を示した. その他の項目では男女ともほぼ同一水準であった. 体力の左右差は, 男女とも右側が高い値を示した. 体力相互間の関係をみると, 上体そらしは, 男性の場合, 重心動揺面積以外全ての体力項目と有意に関係し, 女性では閉脚閉眼の重心動揺面積以外全ての項目と有意な相関を示した. 特に, 高齢者の上体そらしを測定することは, 体力を判定するうえで重要であると考えられる. 病気の有無, スポーツの経験, 家庭環境による体力差は全ての項目で認められなかった. 体力の自信の有無では, 男性で筋力に関係している以外差はなく, 女性では全てで有意差がなかった. 質問 千葉大整形外科 北原 宏: 老人の体前屈テストに対してはもともとのAlignmentでの骨の問題もあると存じます. 脊柱及び女性等でのOsteoporoseの問題も考慮すべきと思いますが, その方面の検討はなされていますでしょうか. 答 山崎 省一: 検討しておりませんが, 関節.筋肉に柔軟性は関係していると思います. 質問 岡山大衛生学 相原 光明: 腰痛の有無により, 背筋力測定結果に差が出ると思われるが, どう対処したか. 答 山崎 省一: アンケート調査の時に調べております. 腰痛がある場合, 医師の判断に実施の可否を決めました. 質問と追加 岡山大衛生学 相原 光明: (質問)立位体前屈測定時に, 両下肢を鉛直位に固定したか. (追加)立位体前屈測定では, 鉛直位をとらないことによる誤差が大きくなるので, 座位体前屈測定の方がよいと思われる. 答 山崎 省一: 立位体前屈の姿勢は厳しく制限しておりません. 今後座位により体前屈についても検討したいと思います.
ISSN:0034-351X