心拍再開まで40分以上を要しながら完全社会復帰した, 院外心停止の2例
心停止(心室細動)から心拍再開まで40分以上の時間経過がありながら, 完全社会復帰した2例を経験したので報告する. 〔症例1〕15歳, 男性. 既往歴:平成7年, 心室細動による心肺停止にてドクターカーにより現場で蘇生し, 完全社会復帰. 当センター循環器科にてフォロー中. 現病歴:平成8年11月6日15時20分頃, 体育館の踊り場で倒れたところを偶然担任教師が目撃し, 直後にCPRを開始した. 15時26分119番覚知. 15時34分救急隊到着時, 心電図モニター上心室細動, 瞳孔散大, 対光反射なし. ドクターカー出動中のため, CPRを施行しながら16時01分当センターへ搬送となった....
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Zusammenfassung: | 心停止(心室細動)から心拍再開まで40分以上の時間経過がありながら, 完全社会復帰した2例を経験したので報告する. 〔症例1〕15歳, 男性. 既往歴:平成7年, 心室細動による心肺停止にてドクターカーにより現場で蘇生し, 完全社会復帰. 当センター循環器科にてフォロー中. 現病歴:平成8年11月6日15時20分頃, 体育館の踊り場で倒れたところを偶然担任教師が目撃し, 直後にCPRを開始した. 15時26分119番覚知. 15時34分救急隊到着時, 心電図モニター上心室細動, 瞳孔散大, 対光反射なし. ドクターカー出動中のため, CPRを施行しながら16時01分当センターへ搬送となった. 二次救命処置により, 16時05分(担任のCPR開始から約45分)心拍再開となった. 入院後低体温療法を行い, 神経学的所見なく完全社会復帰した. その後特発性心室細動の診断のもと, ICD植え込みを行っている. 〔症例2〕52歳, 男性. 平成11年5月13日7時45分頃, 自宅にて胸痛に続く意識消失後心肺停止となった. 訪問していた知人(ナース)がCPRを開始し, 7時52分119番覚知. 8時00分救急隊到着時, 心電図モニター上心室細動であり, 救急救命士が除細動を行ったが無効であった. ドクターカー到着後, 薬剤投与ならびに15回の除細動により, 8時44分心拍再開となった. 当センター搬送後, 急性心筋梗塞の診断にて緊急冠動脈造影を行い, LADの閉塞に対してFTCAを施行した. 入院後低体温療法を行い, 神経学的所見を残さず完全社会復帰した. 〔結語〕この2症例に共通している点は, 目撃者による早期からの一次救命処置が行われている点である. 確実な一次救命処置なくして二次救命処置の意義は少なく, “救命のための鎖”における一次救命処置の重要性と, その一般市民への啓蒙と普及の必要性をあらためて認識させられた. |
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ISSN: | 0288-4348 |