19. 当院で実施された比較的稀な頭頸部悪性腫瘍15症例に対する放射線治療とその文献的考察
【目的】頭頸部癌の病理組織学的診断では扁平上皮癌と腺様嚢胞癌が大多数を占め, 当科における放射線治療の対象も95%以上がこれらの癌腫である. これらの癌腫以外の口腔領域の悪性腫瘍に対する放射線治療に関する報告は少なく, 他部位における報告を参考に放射線治療を施行しているのが現状である. 今回我々は, 当科で放射線治療を施行した口腔癌のうち, 扁平上皮癌と腺様嚢胞癌以外の病理組織所見であった症例を対象に, その治療法や治療成績を過去の文献と比較検討することを目的とした. 【方法】当科で放射線治療を施行した口腔癌503例のうち, 扁平上皮癌と腺様嚢胞癌以外の病理組織所見であった症例は15例であった...
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Veröffentlicht in: | 歯科放射線 2007, Vol.47 (1/4), p.141-142 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】頭頸部癌の病理組織学的診断では扁平上皮癌と腺様嚢胞癌が大多数を占め, 当科における放射線治療の対象も95%以上がこれらの癌腫である. これらの癌腫以外の口腔領域の悪性腫瘍に対する放射線治療に関する報告は少なく, 他部位における報告を参考に放射線治療を施行しているのが現状である. 今回我々は, 当科で放射線治療を施行した口腔癌のうち, 扁平上皮癌と腺様嚢胞癌以外の病理組織所見であった症例を対象に, その治療法や治療成績を過去の文献と比較検討することを目的とした. 【方法】当科で放射線治療を施行した口腔癌503例のうち, 扁平上皮癌と腺様嚢胞癌以外の病理組織所見であった症例は15例であった. その内訳は(1)粘表皮癌4例, (2)腺癌4例, 以下(3)悪性多形性腺腫, (4)骨肉腫, (5)形質細胞癌, (6)嚢胞腺癌, (7)唾液腺導管腫, (8)悪性乳頭症, (9)横紋筋肉腫が各1例であり, それぞれの治療法と治療成績について既存の文献と比較検討した. 【結果】(1)粘表皮癌では4症例の全てが術後照射で45~56Gy照射後に全症例で再発を認めた. (2)腺癌では4症例の全てが術後照射で48~70Gy照射し, 2例で5年以上生存が確認された. (3)悪性多形性腺腫では術前照射60Gyの予定を20Gyで中断し数日後の原病死が確認された. (4)骨肉腫では再発部位の単独照射68Gyで1年後に原病死が確認された. (5)形質細胞腫は単独照射57Gyで2年後の生存が確認された. (6)嚢胞腺癌は術後照射75Gyで4年の生存が確認された. (7)唾液腺導管癌では術後照射61Gyで3年の生存が確認された. (8)悪性乳頭症では単独照射50Gyで5年以上の生存が確認された. (9)横紋筋肉腫では術後照射44Gyで現在経過良好である. 以上を過去の文献と照らし合わせた結果, 比較できる範囲内では, これまでの報告に準ずるものであった. 【考察】放射線治療の対象となる頭頸部癌のうち比較的稀な症例について考察した結果, いずれの場合の治療法・治療成績も共に妥当であったと考えられた. |
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ISSN: | 0389-9705 |