FGA1238bp欠失を有する無フィブリノゲン血症3例のハプロタイプ解析
「要旨」 先天的に血液中にフィブリノゲン(fibrinogen; Fbg)が存在しない無Fbg血症は約1/100万人の頻度でみられ, Aα鎖・Bβ鎖・γ鎖をコードするFGA・FGB・FGG遺伝子の変異が原因とされている. 無Fbg血症患者にみられるFGA del c.364+86_c.510+45 (FGAΔ1238bp)は日本(三重, 岡山, 福岡, 岐阜, 埼玉)と中国(上海)で報告されているが地域性に関する検討報告はない. 今回, 三重で2例目の新規FGAΔ1238bpを有する無Fbg血症を経験し, ハプロタイプ解析により過去に報告した三重と岡山の2家系と比較を行い, 臨床所見についても...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 医学検査 2019-07, Vol.68 (3), p.589-595 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「要旨」 先天的に血液中にフィブリノゲン(fibrinogen; Fbg)が存在しない無Fbg血症は約1/100万人の頻度でみられ, Aα鎖・Bβ鎖・γ鎖をコードするFGA・FGB・FGG遺伝子の変異が原因とされている. 無Fbg血症患者にみられるFGA del c.364+86_c.510+45 (FGAΔ1238bp)は日本(三重, 岡山, 福岡, 岐阜, 埼玉)と中国(上海)で報告されているが地域性に関する検討報告はない. 今回, 三重で2例目の新規FGAΔ1238bpを有する無Fbg血症を経験し, ハプロタイプ解析により過去に報告した三重と岡山の2家系と比較を行い, 臨床所見についても既報症例と比較した. 4番染色体のFbg遺伝子近傍の7種のshort tandem repeat (STR)領域を使用し, polymerase chain reaction (PCR)で増幅後にフラグメント解析を行った. 3家系でD4S3021-FGA-i3 (intron 3 of FGA)-D4S2631-D4S1629 (230-del-212-146bp)の少なくとも3領域が共通であり, FGAΔ1238bpを有する対立遺伝子が共通先祖由来である可能性が示唆された. FGAΔ1238bpを有する無Fbg血症は西日本に発端者が分布していることから, 今後もシークエンス解析に加えてハプロタイプ解析によるデータ蓄積を継続することで, 遺伝的背景を明らかにする一端になると考える. |
---|---|
ISSN: | 0915-8669 |