腹腔鏡下腹膜生検の迅速病理診断が有用であった結核性腹膜炎の1例
症例は29歳,男性,左側腹部から背部にかけての疼痛を主訴に当院受診.胸腹部CTにて腹腔内に多数の結節とリンパ節腫大,右胸水,腹水を認め,PET-CTで腹膜,胸膜に高度のFDGの集積を認めた.血清CEA,CA125,可溶性IL-2レセプター抗体が上昇していた.癌性腹膜炎,悪性リンパ腫,悪性中皮腫,結核性腹膜炎などとの鑑別を要したが,確定診断が得られず腹腔鏡下腹膜生検を施行した.大網,腹膜及び肝表面に白色の小結節が多数認められ,大網は腹壁に癒着していた.術中迅速病理診断にて,乾酪壊死とLanghans巨細胞を伴う類上皮性肉芽腫を認めたことから,結核性腹膜炎と診断した.結核性腹膜炎は稀な疾患で,臨床...
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Veröffentlicht in: | 医学検査 2014/07/25, Vol.63(4), pp.418-422 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は29歳,男性,左側腹部から背部にかけての疼痛を主訴に当院受診.胸腹部CTにて腹腔内に多数の結節とリンパ節腫大,右胸水,腹水を認め,PET-CTで腹膜,胸膜に高度のFDGの集積を認めた.血清CEA,CA125,可溶性IL-2レセプター抗体が上昇していた.癌性腹膜炎,悪性リンパ腫,悪性中皮腫,結核性腹膜炎などとの鑑別を要したが,確定診断が得られず腹腔鏡下腹膜生検を施行した.大網,腹膜及び肝表面に白色の小結節が多数認められ,大網は腹壁に癒着していた.術中迅速病理診断にて,乾酪壊死とLanghans巨細胞を伴う類上皮性肉芽腫を認めたことから,結核性腹膜炎と診断した.結核性腹膜炎は稀な疾患で,臨床像および検査結果から癌性腹膜炎との鑑別が困難であるが,腹腔鏡下腹膜生検の術中迅速病理診断が有用であった. |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.13-83 |