1. 日本の職業性膀胱がんの管理
日本における職業性膀胱がんの労働衛生学的対策は, 英国で子宮がんの診断に有効であったパパニコラ法を尿沈渣細胞について応用したユニークな集団検査法の普及に始まっている. しかも, この方法を熱心に推奨してくれたのは当時I.C.I社の産業医Dr. M. H. C. Williamsであった. 何かの国際会議で来日していた博士は, 某企業の部長に「日本の職業がん研究者と討論がしたい. 紹介してくれないか?」と依頼してきた. そこで, 故久保田重孝博士が紹介され, 講演会を開催することとなった. この講演会でWilliams博士は「どこの国でもどこの会社でもベンジジン問題には困っている. おそらく日本...
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Veröffentlicht in: | 産業衛生学雑誌 2005-05, Vol.47 (3), p.130-130 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 日本における職業性膀胱がんの労働衛生学的対策は, 英国で子宮がんの診断に有効であったパパニコラ法を尿沈渣細胞について応用したユニークな集団検査法の普及に始まっている. しかも, この方法を熱心に推奨してくれたのは当時I.C.I社の産業医Dr. M. H. C. Williamsであった. 何かの国際会議で来日していた博士は, 某企業の部長に「日本の職業がん研究者と討論がしたい. 紹介してくれないか?」と依頼してきた. そこで, 故久保田重孝博士が紹介され, 講演会を開催することとなった. この講演会でWilliams博士は「どこの国でもどこの会社でもベンジジン問題には困っている. おそらく日本も同じであろうと思う. しかし, 対策はすでにできている. 」と言われた. Williams博士の講演は聴衆に評判がよく, 工場, 施設を見てもらいたいとまで要望され, 博士は喜んでいた. こうして技術者が派遣され, 早期発見の方法が日本に導入され, 以後職業性膀胱がん患者の余命年数は延長し, 早期診断に効果をあげ, 末期がんに苦しむ例は減少した. |
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ISSN: | 1341-0725 |