上肢作業に基づく疾病の認定基準の問題点について

患者の認定・治療を行う立場からみた新認定基準の主な問題点は, 以下のように要約される. (1)対象業務が, 事務系作業ではOA機器のみに限定され, ボールペン複写, 伝票整理等がなく偏っている. (2)欧米での職業性の概念を含む職業性頸肩腕障害, 反復性疲労障害等の名称に対して, 新基準の「上肢障害」にはこのような概念がなく, 上肢に限定された不適切な名称が使用されている. (3)上腕骨外上顆炎, 肘部管症候群等の頻度の低い特殊病型を重視し, 頻度が高い頸肩腕障害型を「不定愁訴」として除外する方向が認められる. (4)腱鞘炎に限定し6ヶ月以内の短期発症を認めているが, 他の病型を除外している....

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1. Verfasser: 宇土博
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:患者の認定・治療を行う立場からみた新認定基準の主な問題点は, 以下のように要約される. (1)対象業務が, 事務系作業ではOA機器のみに限定され, ボールペン複写, 伝票整理等がなく偏っている. (2)欧米での職業性の概念を含む職業性頸肩腕障害, 反復性疲労障害等の名称に対して, 新基準の「上肢障害」にはこのような概念がなく, 上肢に限定された不適切な名称が使用されている. (3)上腕骨外上顆炎, 肘部管症候群等の頻度の低い特殊病型を重視し, 頻度が高い頸肩腕障害型を「不定愁訴」として除外する方向が認められる. (4)腱鞘炎に限定し6ヶ月以内の短期発症を認めているが, 他の病型を除外している. (5)頸肩腕障害の療養期間を症度を無視して3ヶ月に限定していること. 等の多くの問題点が指摘され, 新基準の見直しが必要である.
ISSN:1341-0725